所得税改正はどう変わった?個人事業主の確定申告への影響とは!?

税金/相続

なごみ家 夫婦の会話

2020年分の確定申告から変更があるんだよ。

この前、税務署で聞いてきたわよ。青色申告特別控除と基礎控除などがかわるみたい。

うちにも関係するからしっかりと確認しないとね。

令和2年に所得税が改正されて初めての確定申告がやってきます。基礎控除金額の変更や、青色申告特別控除が3段階になるなどの変更点がありました。

こちらの記事では令和2年度の確定申告について今回の所得税の制度変更がどのような影響を与えてしまうのかを解説していきます。

これから確定申告をする人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

令和2年の確定申告にかかわる3つの変更点

 

令和2年の所得税の改正では確定申告にかかわる3つの大きな変更点がありました。1つは基礎控除の金額の変更、2つ目は青色申告特別控除の変更、3つ目はe-Taxによる申告(電子申告)又は電子帳簿保存による青色申告特別控除の新設です。どのような影響があるのか1つずつ解説していきます。

4段階の基礎控除、増額になる人、減額になる人

 

基礎控除は2019年までは所得金額に関係なく一律で年間38万円となっていましたが、2020年の改正では合計所得金額によって段階的に基礎控除の金額が減少していきます。合計所得が2400万円以下であれば現行の38万円から10万円引き上げられ48万円になりますが、2500万円を超えると基礎控除が全く無くなってしまいます。

2400万円以下の人にとっては控除額が増えることは嬉しいことですね。

※国税庁HPより筆者作成

青色申告特別控除が3段階に変更

 

青色申告特別控除はこれまでは65万円と10万円の2種類でしたが、今回の改正で55万円が増えて3種類になりました。

これまでと同じように、単式簿記での申告は10万円の控除と変わりありませんが、今まで複式簿記で決算書と貸借対照表を作成して申告していた人は65万円から55万円に減額になります。65万円控除するためには、e-Taxによる申告(電子申告)を行うか、電子帳簿保存のどちらかを行う必要があります。

 

e-Taxによる申告(電子申告)とは、国税に関する各種の手続を、インターネットを利用して電子的に手続をするシステムで自宅のパソコンにより、e-Tax で確定申告書及び青色申告決算書のデータを提出(送信)します。

また、国税庁ホームページで確定申告書及び青色申告決算書のデータを作成して、e-Tax で提出(送信)することもできます。

 

電子帳簿保存とは、一定の要件を満たすことで帳簿を電子データのままで保存できる制度です。この制度の適用を受けるためには、帳簿の備付けを開始する日の3ヵ月前の日までに申請書を税務署に提出する必要があります。

65万円の控除を受けるためには、その年中の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、税務署長の承認を受けて電磁的記録による備付け及び保存を行う必要があります。

 

※令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わります.pdfより

e-Taxによる申告(電子申告)のメリット

 

e-Taxによる申告は難しそうだと感じる人もいるかもしれませんが、65万円の青色申告特別控除が受けられるほかにもメリットがあります。

申告書を自宅のパソコンから24時間いつでも自分のタイミングで送信することができるため、税務署へ持ち込むことや、郵送で送る必要はありません。また、生命保険料控除などの各種証明書類も金額を入力するだけで提出する必要はありません。しかし、確定申告から5年間は書類の保管は必要です。

まとめ

 

確定申告をする人の多くが青色申告をしていると思いますが、今回の税制改正の影響で通常通り申告してしまうと最大で65万円の青色申告特別控除が55万円になってしまう可能性もあります。

しかし今からでもe-Tax による申告(電子申告)の準備をすれば今までと同じ65万円が控除できるほか、基礎控除が増えた分10万円控除が増えることになります。

今回の改正点を事前に理解し確定申告をしましょう。