宝くじの当せん金が非課税なのはなぜ?

税金/相続そのほか

友人が宝くじに当たったらしい。

いくら当たったのかしら?
宝くじに当たると収入になって税金が増えるのかしら?

いや、宝くじは非課税らしいよ。

お金がもらえるのに非課税なの?
なぜかしら?

 

 

「宝くじで1億円当たったら何をしよう」と夢を抱く人は多いのではないでしょうか。
筆者もそのひとりです。
この「宝くじの当せん金」が非課税であるということ、ご存じですか?
今回は、非課税である理由と例外的に税金がかかるケースについて、わかりやすく解説します。

 

 

購入した時点で税金を払っているから

 

宝くじの当せん金に税金がかからないのは「購入した時点で税金を払っているから」です。
前提として、宝くじは各都道府県および20の指定都市しか発行できません。
これらの地方自治体は、少子高齢化対策、防災対策、公園整備、教育施設や福祉施設の建築・改修等さまざまな公共事業を行う際の財源を確保するために宝くじを発行しています。
ある意味、宝くじの売上の一部(=収益金)は、地方自治体にとっての税収ともいえるため、購入した時点で税金を払っているといっても過言ではありません。

 

なお、令和4(2022)年度の場合、販売実績額8,324億円のうち、当せん金(46.9%、3,904億円)、諸経費(15.1%、1,256億円)、社会貢献広報費(1.3%、112億円)を除いた 3,052億円(36.7%)が収益金として、各都道府県および20指定都市に納められてます。

 

当せん金付証票法

第十三条 当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない。

引用元 :当せん金付証票法(昭和二十三年法律第百四十四号)

 

 

誰かの手に渡ったら税金がかかる可能性が出てくる

 

宝くじの当せん金は、購入者が自ら受け取り、資産として保有していても、また、自分のために使う分には税金はかかりません。

ただし、誰かの手に渡った場合、受け取った側が税金を払う必要が出てきます。
具体的には、「当せん金を誰かにあげた」「購入者が亡くなり家族などが当せん金を含めた財産を相続した」といったケースが考えられます。

 

■当せん金を「あげた」「もらった」場合

当せん金を誰かに「あげた」「もらった」場合には、法律上の贈与に当たり、贈与税の対象となります。
贈与税を申告・納付するのは、当せん金を「もらった」人です。
なお、贈与税を計算する際には、暦年課税と相続時精算課税制度のいずれかを選択することができます。

暦年課税と相続時精算課税制度

 

 

仮に、当せん金の一部として1,000万円を受け取った場合にかかる贈与税の額を計算してみましょう。

 

暦年課税かつ一般課税(特例税率の適用がないこと)であると想定した場合、

以下の計算式により、

(1,000万円 – 110万円(基礎控除))× 40%(税率) – 125万円 = 231万円(贈与税額)

となり、手元に残るのは、769万円です。

 

 

■故人から遺族へ当せん金が引き継がれる場合

次に、「購入者が亡くなり、家族などが当せん金を含めた財産を相続した」場合、金額や家族構成によっては相続税が発生するため注意が必要です。

前提として、相続税には、一律「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があります。
たとえば、相続人が妻と子ども3人という場合、5,400万円が基礎控除額となるため、宝くじの当せん金を含めたすべての相続財産額がこの金額以下であれば、相続税はかかりません。
また、被相続人(購入者)の配偶者には、相続税の計算にあたって法定相続分もしくは1億6,000万円の配偶者控除の適用があります。

 

注意したいのは、年末ジャンボ(1等7億円)のように当せん金が極めて高額な場合です。
購入者が当せん金を受け取った直後に、もしものことが起きてしまったとしたら、かなりな額の相続税を負担することになります。極端な例であり、きわめて稀なケースと思われますが、可能性としてはゼロではありません。

 

税金の負担なく、誰かに当せん金を渡すには?

 

税金を払わない、ということを最優先にするならば、当せん金は誰にも渡さず、自分だけで貯蓄・資産運用をするのが一番かもしれません。
もし、まったく渡さないのも気が引けるということであれば、贈与税がかからない範囲で少しずつ渡していきましょう。
たとえば、妻に毎年100万円を20年にかけて渡せば、理論上は贈与税がかかりません。

ただし、定期贈与は、2,000万円の贈与を20回での分割受け取りと税務署に判断され、贈与税が課される場合もあります。
あくまでも、年ごとの「あげる」「もらう」の意思表示による贈与が適切です。

 

まとめ

 

宝くじは、購入時に税金を負担しているため、原則として、当せん金は税金がかかりません。
ただし、当せん金を誰かに渡した場合には、受け取った人に贈与税負担、使わずに亡くなってしまった場合には、相続人に相続税負担が生じる可能性があります。

 

ちなみに、2023年12月31日に抽選が行われた「年末ジャンボ宝くじ(第984回 全国自治宝くじ)」の場合、当せん金が100万円の3等でも当選確率は0.0002%と大変狭き門になっています。
もしかしたら、当せん金に税金がかかるかを心配するのは、ぜいたくな悩みなのかもしれませんね。