年末調整はなんのために行うのかを簡単解説!

税金/相続

ワクワク家夫と妻の会話

今年も年末調整の用紙が届いたよ

毎年なんとなく書いて出しているけど、なんのためにやっているのかな?

還付金があるのは嬉しいけどね!

なんの還付金なんだろう?

 

毎年、年末になると会社員は年末調整の書類を提出するのが一般的です。しかし、年末調整がどのような意味を持っているのか正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は年末調整とはなにか、年末調整をしなかったらどうなるか、住民税や所得税の関係はどのようなものかなど、年末調整に関して解説します。

 

年末調整とは

 

会社員は、毎月の給与から所得税や住民税などの税金を差し引かれるのが一般的です。所得税に関しては、「源泉所得税」として基本給をもとに算出された金額が差し引かれています。実際に支払われた給与をもとに、また家族状況などをふまえて再計算すると、過不足が生じます。多く差し引かれていた人には還付があり、逆に少なかった人からは追徴することで調整します。

この調整を「年末調整」と呼びます。年末調整は勤務先が行うため、申告書の記入や証明書類を添付して期限までに提出する必要があります。もし年末調整をしなかった場合は、翌年の期日までにご自身で確定申告を行う必要があります。

年末調整の流れ

 

年末調整の事務は、いくつかの段階に分かれて処理されます。

①まず、給与および源泉徴収税額の年間合計金額を計算します。源泉徴収税額とは、企業が従業員の給与から差し引く所得税など税金のことです。

②次に、給与所得控除後の給与金額を算出します。給与所得控除金額は、給与等の収入金額によって段階的に定められた計算方法で算出できます。例えば、給与等の収入金額が1,800,001円~3,600,000円の場合における計算方法は「収入金額×30%+80,000円」となります。

③続いて、配偶者控除や扶養控除、保険料控除など各種所得控除額の集計を行います。

④さらに、課税給与所得金額や所得年税額の計算を行い、最終的な納税額の過不足金額を算出します。

 

#年末調整で受けられる所得控除

・基礎控除

基礎控除は2019年までは誰でも受けることができ、控除額は一律38万円でしたが、2020年からは所得金額によって段階的に減少していくことになりました。2400万円であれば48万円になり控除が増えることになりますが、2500万円を超えると控除金額はゼロになってしまいます。

基礎控除は年末調整を行うことで自動的に計算されるので書類などの添付資料を提出する必要はありません。

 

・社会保険料控除

実際にその年に支払った健康保険、厚生年金保険、介護保険などの全額が控除できます。

 

・生命保険料控除

生命保険料控除は、加入している生命保険の保険料に応じて適用される控除です。対象となるのは、平成24年1月1日以降契約の新生命保険料では生命保険、医療・介護保険、個人年金保険の3種類でそれぞれの上限4万円で合計12万円です。また平成23年12月31日以前契約の旧生命保険料では生命保険料控除と個人年金控除の2種類でそれぞれ上限5万円の合計10万円になっています。

 

新契約(平成24年1月1日以後の保険契約)の控除額

 

旧契約(平成23年12月31日以前の保険契約)の控除額

 

・地震保険料控除

加入している地震保険の保険料に応じて適用され、控除額は最大5万円です。

 

・配偶者控除

配偶者控除は、配偶者の所得が48万円(給与所得103万円)以下の場合に適用されます。給与所得から給与所得控除金額55万円を引くと、残りが48万円になるためです。

所得が48万円以下の場合は38万円の配偶者控除を受けることができます。

 

しかし、配偶者所得控除の金額は、控除を受ける本人の合計所得金額により異なります。

900万円以下の場合は38万円ですが所得金額が増えるほど、段階的に控除できる金額が減少していきます。

 

・配偶者特別控除

もし配偶者の給与収入が103万円を超えてしまった場合でも、配偶者特別控除が適用されます。基本的に配偶者の所得金額が増えるごとに、控除額は減る仕組みです。

 

・扶養控除

扶養控除は、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上で給与所得が103万円以下の扶養親族がいる場合に適用できる控除です。

年齢によって控除できる金額が異なり、大学生であっても23歳未満であれば控除対象になります。しかし、大学生の場合は、収入要件に注意が必要です。

住民税は前年の年末調整で決まる

 

住民税はいつの間にか給与から差し引かれている印象があるのではないでしょうか。いつ、住民税の金額が決まったのか知らないという人もいるかもしれません。じつは。住民税は前年の年末調整で申告が終わっているのです。住民税は、数ある税金の中でも一番身近な税金です。納付した税金は、住民が住みやすい環境を維持するためにゴミの回収や、高齢者支援、子育て支援に使われています。実際に住民税を支払うのは、翌年の6月ころからなので、それまでの間に会社を退職して収入がなくなっていたとしても、納付しなければなりません。転職をした方や、定年退職をした方は、注意が必要です。

まとめ

 

年末調整は、その年の所得税と住民税の金額を決定しているのです。一般的な会社員であれば年末調整は会社が行ってくれます。そのため、流れ作業で書いてしまいがちでが、一部の控除を申告し忘れてしまったり、書類上の記載ミスがあったりすると、損をしてしまうかもしれません。税金を過不足なく正確に納めるために、年末調整の内容をよく理解しておきましょう。

 

 

 

☆この記事を書いたのは...

 

      

黒須かおり 

ファイナンシャル・プランナー CFP® FPラポール株式会社代表取締役

 

一生涯を見守るFPとして、女性を中心に将来に向けての働き方、資産形成、資産運用などmoneyとキャリアのコンサルティングを行う。

延べ3,000人が参加したマネーセミナーでの講師や、企業研修、国や行政などでのセミナー講師なども務める。30代40代女性やファミリーなどを中心に個別相談をおこなうかたわら金融機関でのお客様の資産運用アドバイザーとしても活動経験あり。年間50本以上メディアへの執筆も行う。

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