GDPってなに?

家計/ライフスタイル

 

資産形成や運用を始めようとして立ちはだかるのが、「言葉」の壁です。さまざまなキーワードがでてきますね。似たような単語でも意味が微妙に異なったり、アルファベットが並んでいたり、わからないことが更にわからなくなり挫折しそうになります。でも、諦めないでください。一つひとつ理解していくことで、人生における考え方や行動が変わるはずです。

 

個人型確定拠出年金とイデコ(iDeCo)同じ制度なの? 別の制度なの?

 

同じ制度です。個人型確定拠出年金のことを「イデコ(iDeCo)」と呼びます。老後資金の準備として、投資信託などで運用しながら資産を形成していく私的年金のひとつです。もともと存在した「個人型確定拠出年金」という正式名称では、文字数多く、覚えにくいですし、親近感がないですね。2017年1月に専業主婦や自営業など誰でも加入できることになったことから、「広く知ってほしい、広めたい」という厚生労働省の施策として付けられた「愛称」です。

 

GDP? 聞いたことあるけど、いったい何なの?

 

では、GDPは、いかがでしょうか。「ニュースなどで耳にしたことあるけど、それって何?」という方が大半かもしれません。

 

GDPとは、Gross Domestic Productの頭文字です。

G(Gross)…合計

D(Domestic)…国内

P(Product)…生産

 

「国内総生産」と訳され、国内で一定期間(1年間)に生産されたモノやサービスの額と言えます。日本を1企業と例えると、1年間の売上げと考えることができます。
※実際には作ったものが全て売れるとは限りませんが、考え方としては、=(イコール)になります。

 

売上げは、その企業活動の結果でもあり、次の年度に向けて計画を立てる原動力です。新しい機械を買うための設備投資や新しい社員を雇う、現在の社員の給料を上げる根拠に繋がります。逆に落ち込んでいる場合には、生産量を減らす、節約するなどの対策を迫られます。

 

こうした金額は、前年度の金額と比較し、伸び率〇%という計算をすることで、目標を決めたり、改善策を考えたりする訳です。

 

足元ばかり見ていると、世の中の動きがわからなくなります。売上げ落ち込みの原因は、自社の努力不足でなく、環境的理由という場合もあり得ますので、自社だけでなく、同じ業種やライバル会社の数字も参考にする必要がありますね。

 

日本の話に戻しましょう。国内で生産されるモノやサービスには、海外法人や外国人が稼いだ売上げも含まれます。反対に、海外に進出している企業や現地工場での利益は含まれません。
ややこしい印象を与えるのは、「名目GDP」「実質GDP」の2種類があることです。
名目GDPは、単純に消費支出額や公共事業費などの実数字で算出されます。私たちが生活していくなかで実感に近い数字と言えます。連続性を保つために物価変動率を加味した額が「実質GDP」です。

 

2019年の日本の名目GDPは553兆円でした。米国、中国に次ぐ世界第3位の経済規模となっています。実は、50年近くも世界第2位に位置し、経済大国として世界でも豊かで影響力あると言われていましたが、2010年に中国に抜かれ、その差は広がるばかりです。参考までに第4位はドイツ、第5位はイギリスです。

 

国単位での売上げをGDP(国内総生産)、伸び率を経済成長率と言います。直近では、8月17日に内閣府より「2020年4~6月期速報値」が発表されています。

 

速報値のため今後の確定で修正ありますが、新型コロナウィルス感染予防のための緊急事態宣言による影響を把握するために注目されました。前期比(1~3月期)比7.8%減、年率換算27.8%減と経済活動が停滞していることがわかります。

 

知らなくても日常生活に困ることは、ないんじゃない?

 

知らなくても困らないかもしれません。ただ、世界情勢や経済状況を知ることで、モノの価格変動や金利の推移を予測することが可能になります。iDeCoの商品選択や住宅ローンを組む際に自分自身の基準ができます。基準が持てるようになると、正体の分からない漠然とした不安から解放されるのです。

営業担当者の都合のよい商品勧誘にも、よくわからないまま流されずに、毅然と断ることができるかもしれません。

 

例えば、こんな活用方法、投資行動に繋がる可能性もある

 

◆ iDeCoの商品選択…

  ・発展途上だがGDP上昇国の組入れ比率が高い商品を選んでみよう。

  ・日本の成長率はイマイチだから配分比率を下げて海外比率を高めよう。

◆ 外貨(オーストラリアドル)建ての保険商品を勧められた… 

  ・オーストラリアのGDPの推移をチェックしてみよう。

◆ 住宅ローンを選ぶにあたって・・・

  ・担当者は低金利の変動を勧めるけど、将来の金利上昇の可能性を考えてみよう。

 

さまざまな観点から判断する必要ありますが、選ぶ際の考える材料となり、行動に繋がる可能性があります。

 

まとめ

GDP (国内総生産)

国内で1年間に生産された付加価値(モノ、サービスの額) の合計

その国の経済活動の大きさを表す指標

※国籍に関わらずその国のなかで生産された付加価値

名目GDP(実数)と実質GDP(物価変動を加味した数字)の2種類がある

2019年(名目)553兆円 内閣府が四半期ごとに発表

経済成長率… GDPの伸び率

その国の経済がどのくらい成長しているか示すもの

 

 

経済指標をみることで、世の中の動きを知り、予測することができます。

先のことはわかりませんが、「だからこういうことね。」という状況が理解できると、投資への取り組み方が変わるでしょう。

 

やみくもに投資するのとは雲泥の差があります。
なにも知らずに、上がるか下がるかを選ぶことは、ある意味「賭け」です。投資ではなく、「投機(ギャンブル)」です。

運に任せていては、資産は増えません。

 

これからは、ニュースの見方が変わりますね。

まずは、興味をもつことから始めてみましょう。

 

 

 

☆この記事を書いたのは...

 

      

大竹麻佐子

ファイナンシャル・プランナー CFP®、相続診断士、整理収納アドバイザー

 

証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て2015年FP事務所開業。相談・執筆・講師として活動中。

より豊かに自分らしく生きるためには、「お金と向き合うこと」が大切です。

知識だけでなく経験を踏まえたアドバイスとともに、全力でサポートします。