親のNISA口座、相続する場合のながれと注意点

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もし親が亡くなったとき、親が保有しているNISA口座ってどうしたらいいのかな?

亡くなったときには相続手続きが必要だよ

どうやって手続きすればいいのかな?

 

 

NISA制度の無期限化にともない、生涯にわたってNISA口座で株や投資信託を保有し続ける方の増加が見込まれます。
しかしながら「家族が亡くなったとき、NISA口座をどうしたらよいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、NISA口座の名義人が亡くなった場合の相続の流れや注意点を解説します。

 

 

親のNISA口座を相続するときの流れ

 

亡くなった方のNISA口座の保有商品は、相続人がそのまま売却したり分配金・配当金を受け取ることはできません。
引き継ぐためには所定の手続きが必要です。

 

NISA口座の相続手続きは大まかに、次のような流れで行います。

1. 金融機関へ連絡し、相続に必要な書類を請求する
2. 手続きに必要な公的書類を用意する(戸籍、印鑑登録証明など)
3. 被相続人(亡くなられた方)と同じ金融機関で特定口座を開設する
4. 必要な書類を提出する
5. 被相続人の口座が解約され、特定口座へ保有商品が移管される

 

手続きに必要な書類等は、金融機関によっても異なります。
まずは親が取引をおこなっていた口座を特定し、該当の金融機関に相談しましょう。
実店舗を持たないネット証券では、専用のWeb受付窓口や電話窓口を開設しています。

 

 

NISAを相続するときの注意点

 

NISA口座を相続するときには、税金や取得価額などに関する注意点を知っておくことが大切です。
それぞれ順番に見ていきましょう。

 

■相続するときはNISA口座ではなく特定口座へ移管される
親のNISA口座の保有商品を相続するときは、NISA口座ではなく特定口座(課税)へ移管されます。
つまり、親のNISA口座から子のNISA口座への移管はできません。
非課税で保有し続けることはできないため注意が必要です。

 

■相続発生時以降の配当金や分配金は課税対象となる
NISAの非課税措置は、口座名義人が亡くなるまで続くため、相続発生時までに発生した含み益に対しては課税されません。
たとえば、被相続人(故人)が生前に投資した金額が50万円、相続発生時の価額が100万円であった場合、50万円の利益については非課税です。

 

一方で、相続発生によりNISA口座で保有していた資産を引き継ぐ際には、課税対象となる特定口座へ移管されます。そのため、課税対象となり、20.315%の税金がかかります。

 

■NISA口座の株式や投資信託を相続する場合の取得価額は?
NISA口座で保有していた投資商品を相続する場合、取得日と取得価額は以下のようになります。
・取得日:被相続人が亡くなった日
・取得価額:亡くなった日の終値

 

具体例を見ていきましょう。
・被相続人(故人)の取得価格:50万円
・2024年4月3日に相続発生(被相続人が死亡)
・2024年4月3日の時価:100万円

 

上記の場合、相続人(引き継ぐ人)の特定口座に移管される際の取得価額は、被相続人の取得価格ではなく、亡くなられた日の時価である100万円となります。
NISA口座での保有は、ほかの証券口座での保有と異なるため注意が必要です。

 

 

 

NISA口座の相続に備えておきたいこと

 

親が保有する証券口座がわからない場合、自宅の郵便物やパソコンから口座情報につながるものを探したり、証券保管振替機構(ほふり)への開示請求など口座特定に手間も時間もかかるケースも多く見られます。
いざという時のためにも、取引のある金融機関や口座について日頃から話をしておくことをおすすめします。

 

また、NISA口座で保有する資産を引き継ぐ際には、親と同じ金融機関で証券口座を開設する必要があります。
たとえば、親が楽天証券でNISA口座を開設している場合には、相続手続きにあたって、楽天証券での口座開設が必要です。
将来的な手続きを簡略化するために、家族で利用する証券会社を統一しておくことも一つの方法です。

 

 

まとめ

 

今回はNISA口座の相続について解説しました。
NISAの非課税措置が適用されるのは、口座名義人が亡くなる日までです。
口座名義人が亡くなったとき、保有商品をそのまま売却したり自分の口座へ移管したりすることはできません。
そして、相続手続きにより移管後は、課税対象となります。

 

なお、家族が亡くなられた際には、NISA口座の相続以外にもさまざまな手続きが必要です。
届出や申請にあたって、公的書類の収集などは無駄や二度手間にならぬよう効率的に行いたいものです。
ほかに相続人がいる場合には、トラブルを避けるためにも情報を共有しながら進めることを心がけたいですね。