この前、ニュースで見たけど私立高校の授業料無償化の年収制限がなくなるらしいよ。
年収制限がなくなると、私立高校へ進学する選択肢が増える人もいるだろうね。
選択肢が広がることは子育て世帯にとってありがたいことだね。
東京都では、2024年度から私立高校の授業料無償化における年収制限を撤廃する方針であることが発表されました。
これにより都内在住の子育て世帯で、高校の授業料実質無償化の恩恵を受けられるようになります。
東京都は2024年1月から、年収制限なしで子ども1人あたり月額5,000円を給付する018サポートも開始し、子育て世代への支援がスピーディーに拡充されつつあります。ぜひ制度を理解し、進路選択に役立ててください。
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国の支援「高等学校等就学支援金制度」が土台となっている
高等学校等就学支援金制度は、国が実施している制度です。世帯年収が590万円未満の世帯の場合、子どもが公立高校に進学する場合は年間118,800円、私立高校の場合は396,000円が授業料支援として支給されます。
年収590万円以上910万円未満の世帯は、公立、私立に関わらず年間118,800円が支給されます。
出典:文部科学省 高校生等への就学支援
なお世帯年収510万円や910万円という基準は、両親のうち一方が働き、子どもが2人までというモデルケースで算出されています。
実際は下図のように両親の働き方や家族構成によって年収制限額は異なるため、ご自身のケースを当てはめてみてください。
出典:文部科学省 高校生等への就学支援「(参考)年収目安」
公立高校の授業料は全国一律で118.800円(年額)ですが、都内の私立高校の授業料平均額は2023年度のデータによると483,311円(年額)という結果が出ています。
東京都の場合、私立高校に進学すると国の支援だけでは約10万円不足しているのです。
東京都の支援「私立高校等授業料軽減助成金事業」とは
国が実施する高等学校等就学支援金では不足している私立高校の授業料負担を補うため、東京都が独自に上乗せをして合計475,000円まで授業料の助成を行う制度が、私立高校等授業料軽減助成制度です。
現時点では年収910万円未満の世帯が対象となっており、この制度を利用することで、私立高校の授業料のほぼ全額を助成金で賄うことができるようになっています。
年収制限が撤廃されるとどうなる?
今回東京都が発表したのが、この世帯年収910万円という年収制限の撤廃です。東京都福祉保健基礎調査によると、都内在住の子育て世帯における世帯年収は1,000万円以上が38.5%を占め、現状では高校無償化の対象外となっている世帯は少なくありません。
(出典:令和4年度東京都福祉保健基礎調査)
年収制限が撤廃されることで、保護者の収入に関わらず、子どもの進路選択の幅が広がります。ただし、無償化されるのはあくまで授業料のみです。
それ以外の費用は学校により様々だということを進路選択の際には考慮すると良いでしょう。
例えば、一般的には私立の方が施設費や部活動の費用、修学旅行代が高額となる傾向にあります。
また寄付金を求められる機会の多い私立高校もあります。
一方で、大学受験を視野に入れると、受験対策に熱心な私立高校であれば、予備校の費用がかからず、教育費負担が抑えられる場合もあります。
このため、様々な角度から進学先を判断することが大切です。
また近年の傾向として、私立公立共に中高一貫校が増えてきています。
中高一貫校であっても高校から生徒を受け入れる学校もありますが、都内では2023年度までに全ての都立中高一貫校は高校からの生徒募集を停止しました。
私立でも2021年以降豊島岡女子学園や本郷中学校・高等学校が、高校入試を廃止しています。
無償化に伴って私立高校進学を視野に入れる人が増えることで、結果的に中学受験がさらに過熱しそうな予感がするのは筆者だけではないはずです。
まとめ
子育て世帯にとって、教育費は家計の中でも大きな割合を占めているため、国や自治体から支援制度が次々と拡充されるのはありがたいことです。
今回は東京都民限定ではありますが、年収制限のない私立高校の授業料無償化は、経済的理由から志望校を限定せずに、進学する本人の希望を最優先に考える一助となります。
これから受験に臨まれる皆さんが、納得のいく進路を見つけられることを心より願っています。