確定拠出年金の元本確保型って本当に元本割れしないの?

資産形成/資産運用

ワクワク家 夫婦の会話

今日会社の人に、確定拠出年金は元本割れしない定期預金にしているって言われたの。

確かに、元本は割れないかもしれないけど、手数料が引かれているからそもそも積み立てる金額は、引き落としされてた金額ではないよね?

私も、それを考えると元本割れしないとは言えないと思うんだけど。

 

老後資金を準備するために活用できる「確定拠出年金」には、元本確保型の商品があることをご存じですか?投資よりも預貯金を重視したい人であれば、元本確保型商品も選択肢かもしれません。でも、元本確保型は本当に元本割れすることはないのでしょうか?そこで今回は、確定拠出年金の元本確保型商品について、その内容と元本割れの有無を解説します。

 

確定拠出年金の元本確保型商品にはどんなものがある?

 

確定拠出年金には個人型(iDeCo)と企業型があり、主な運用商品は投資信託です。預貯金と異なり、投資信託は投資であるため、価格変動があり、運用益が期待できるものの、場合によっては元本割れする可能性もあります。日本人は預貯金を重視する傾向があり、リスクのある運用商品を避ける人は少なくありません。元本割れが気になる人は、元本確保型商品に注目してもよいでしょう。

確定拠出年金の元本確保型商品には「定期預金」と「保険」の2種類があります。

 

■確定拠出年金の定期預金

定期預金は預入時の利率が満期まで適用され、満期を迎えるとその時点の利率で自動更新されます。期間途中での解約は、適用利率が対象外となることはありますが、原則として、元本は確保されますので元本割れすることはありません。また、定期預金は預金保険制度の対象となるため、金融機関が破綻しても、元本1000万円とその利息は守られます。

 

■確定拠出年金の保険

保険の場合でも一定期間の利率は固定され、満期を迎えると新しい利率で更新されます。また、保険会社が破綻しても、原則として責任準備金(将来支払われる保険金に備え、積み立てられる保険料のこと)の90%は保護されます。

確定拠出年金の保険で注意したいのは、中途解約した場合です。満期を迎えずに解約すると、解約控除(解約時に必要な費用)が差し引かれるため、元本割れする可能性があります。

 

元本確保型にもある元本割れの可能性

 

確定拠出年金の保険では、中途解約すると解約控除が差し引かれて元本割れする可能性があるとお伝えしましたが、可能性はこれだけではありません。

確定拠出年金を利用する際に必要な手数料について考えてみましょう。

 

確定拠出年金では、加入時に「加入時手数料」、加入中に「口座管理料」などの手数料がかかります。定期預金の金利や保険の契約上、満期時点で手数料を上回る利益が得られればよいのですが、低金利時代の昨今、商品によっては、元本割れが起こる可能性はあります。

しかしながら、金融機関によっては口座手数料を低く設定されているケースや0円という場合も多くありますので、いくつかの金融機関を比較することをおすすめします。

 

元本確保型の商品を選ぶのはアリ?

 

確定拠出年金を利用している人のうち、元本確保型商品を選ぶ方は意外と多いようです。しかし、超低金利が続く現状では、元本確保型だけでは資金を増やすことは難しいでしょう。

 

そこで、元本保証型と投資信託を組み合わせることをおすすめします。投資においては、資産を分散することでリスクを抑えることが可能です。そのため、元本確保型商品も利用しつつ投資信託での運用も行えば、手数料による元本割れもカバーできますし、資金を増やすことも期待できます。ぜひ元本確保型商品と投資信託の併用を検討してみてください。

 

まとめ

 

確定拠出年金の元本確保型商品には定期預金と保険があります。定期預金は原則的に元本割れすることはありませんが、保険で中途解約をした場合には解約控除が差し引かれるため元本割れする可能性があります。また、確定拠出年金の手数料による元本割れの可能性にも留意しておきたいです。

現在は金利が非常に低いため、元本確保型だけでは資産を増やしにくいかもしれません。そこで、確定拠出年金を利用する際は投資信託と元本確保型を併用し資産を配分して、効率よく運用することをおすすめします。