夫が独立開業?どうなる社会保険と我が家の保障

資産形成/資産運用

イケイ家 夫婦の会話

まだいつになるかはわからないけど、今のお店から独立して開業するつもりなんだ。

以前からの夢だったからね、応援しているわよ。

ただ、会社員だと社会保障も手厚いけど、独立するとそうはいかなくなるから、辞める前に調べて対処しておかないといけないよね。

 

夫が「独立したい」と言い出したら、もしくは、すでに会社を辞めてしまった場合、どうしますか。夫の夢や希望を応援したいと思いつつも、不安が大きいのではないでしょうか。

まずは気になるのが社会保険です。会社員時代は保険料が高いなどと文句を言っていた方も、いざ退職すると、これまでの公的制度の充実ぶりに気づくものです。本記事では、独立後の社会保険について考えてみましょう。

 

会社を退職したら、社会保険はどうする?

 

会社を退職すると、その日で社会保険の資格も喪失します。

会社員時代に加入している社会保険には、厚生年金、健康保険(40歳以上であれば介護保険ふくむ)、労災保険や雇用保険などがあります。退職後に求職活動を行えば、雇用保険から失業給付を受け取れる可能性がありますが、自営業者として独立するのであれば支給はありません。

 

公的年金制度において、会社員は厚生年金の被保険者ですが、退職後は、厚生年金に代えて国民年金に加入することになります。退職から14日以内に加入手続きのうえ、国民年金保険料を納めます。

健康保険については、これまでの健康保険組合で任意継続被保険者となる選択肢もありますが、原則として、国民健康保険に代わります。同様にお住まいの地域の役所で退職から14日以内に手続きをします。14日を過ぎても手続きは可能ですが、後から経過分の保険料をまとめて請求されるので、早めの手続きがおすすめです。

労災保険や雇用保険は会社に雇用されることが条件のため対象外です。退職にともない手続きは必要ありません。

 

会社員と自営業の違い

 

会社員の年金制度は、第2号被保険者として、2階建て(1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金)と言われるように充実しており、保険料は健康保険と同様に、事業主との折半で負担し、給与から差し引かれています。厚生年金保険料は支給額に基づいて計算されるため、負担が重いと感じるものですが、65歳以降に受け取る「老齢年金」だけでなく、もしもの場合に遺族が受け取る「遺族年金」や障害状態で働けない場合の「障害年金」などは、いずれも2階建てのため充実しています。

健康保険においても、休業時の傷病手当金など手厚く保障されています。

 

これに対して、自営業は第1号被保険者となり1階部分の国民年金のみの加入です。保険料は一律(2022年度の1月あたりの保険料1万6590円)です。

給付については、遺族基礎年金は18歳までの子どもがいないと支給はありませんし、障害基礎年金においても状態により給付対象外となる場合もみられます。

また、業務上や通勤途上の災害等で療養や障害、死亡した時の労災保険による保障もありません。事業で失敗しても、雇用保険もありませんので失業手当も得られません。

 

自営業だからこそ備えておきたいこと

 

会社員時代は、万が一亡くなった場合、遺族厚生年金の保障がありましたが、個人事業主の場合、高校卒業までの子どもがいないと支給されないため、家族構成によっては、自助努力でもしもに備える必要があります。ケガや病気で療養となる場合についても同様です。

また、事業資金融資を受けている場合には、収入が途絶えてしまう状況のなかでも返済を継続できる状態を作っておきましょう。

 

そのための選択肢として、生命保険や医療保険、収入補償保険など「保険」で備えることが有効です。

 

遺族への保障、病気やケガで働けなくなった時の保障、借金が返済できなくなった時にカバーできる保障などを備えましょう。国民年金では年金額も少なくなるので、個人年金保険や国民年金基金への加入などで年金額アップを図ることも大切です。

 

まとめ

 

夫が個人事業主として独立し、個人事業主となる場合、会社員時代に加入していた社会保険は適用されなくなります。国民年金や国民健康保険に加入することになりますが、厚生年金や健康保険などの社会保険と異なり保障が薄くなります。

また、失業保険や労災保険は対象外のため、リスクに対する備えも手厚くしておく必要があります。独立起業時は事業を軌道に乗せることに忙しく、収入も不安定なため後回しにしがちですが、不安定な時だからこそ、早めに備えを検討しておくことをおすすめします。