従業員持ち株制度は利用したほうが良い?メリットとデメリットに迫る

資産形成/資産運用

ワクワク家 夫婦の会話

会社に持ち株制度があるけど、同僚からやったほうがいいってすすめられたの。やったほうがいいかな?

奨励金ももらえるし、少しの金額から始めてみたら?

先取り貯金をしているつもりで始めてみようかしら。

 

入社したときに従業員持ち株制度をすすめられ、あまり内容を知らずに入会されている人も少なくないのではないでしょうか。

今回は、従業員持ち株制度のメリット・デメリットをご紹介していきます。

 

従業員持ち株制度とは?

 

従業員持ち株制度とは自社の株を従業員が購入して保有することができる会社の福利厚生の一つの制度です。従業員に株式を取得しやすくして資産形成を支援する仕組みです。

役員は従業員でないため、加入することはできません。しかし、別に役員を対象とした持株会は別で運営されています。

 

持ち株の仕組みとは

 

持ち株制度は、従業員の給与や賞与から一定額を天引きして集めた資金で自社株を共同購入する仕組みで、拠出額に応じて配当金が得られます。

持ち株制度に加入するかどうかは、強制ではなく従業員が自由に決めることができます。

会社としては従業員が定期的に株式を購入することで、安定的な株主になってくれるメリットもあります。

 

持ち株を持つメリットとは?

 

従業員にとって自社株を保有するメリットは、大きく4つあります。

 

・少額から始めることができる

証券口座で株式を購入するときは、企業によって異なる単元数を購入しますが、持株会では単元数も関係なく、1株に満たない金額でも購入することができます。

 

・先取り貯蓄ができる

給与や賞与から天引きされるので貯蓄が苦手な人でも知らない間に株式が増えていきます。

 

・奨励金がもらえる

持ち株制度の1番のメリットは奨励金がもらえることかもしれません。自社株を購入するときに会社から奨励金が支給され、自分の購入金額に上乗せして自社株を購入することができるのです。たとえ、積み立てた金額の1%だったとしても銀行の金利よりも高いのでオトクな制度です。

 

・配当金がもらえる

所有する株式に応じて配当金を受け取ることができます。受け取った配当金は次回の購入金額に上乗せされるので複利効果で資産が増えていきます。

 

持ち株を持つデメリット

 

しかし、持ち株を持つことによるデメリットもいくつかあります。

 

・株価の下落で資産価値がへる

自社株に限ったことではないですが、株価は常に変動しているため株価の下落によっては資産の価値が大きく減少してしまう可能性もあります。

 

・売却するときは1単元ごとしかできない

購入するときは1株未満でも購入できましたが、売却するときは1単元未満では売却することができません。そのため、単元株数以上になっていないといつでも売却できるわけではありません。

 

・株主優待は対象外

通常の株式投資では株主優待目的で行っている人もいますが、自社株をどれだけ持っていたとしても株主優待の対象にはなりません。

 

・会社への依存度が高くなる

生活をするための給与と、資産形成のための株式が同じ会社であるということは、会社の業績が悪くなり給与が減額してしまうことや、ボーナスがカットになってしまう可能性もあります。そうなると、株価も下落してしまいます。すると給与も減り、資産価値も減ります。持株会は会社への依存が高くなるので、金額の設定は慎重に考えましょう。

 

途中で売却するときはどうすれば良い?

 

持ち株を途中で売却するときは事前に準備が必要です。まず、会社指定の証券会社で自分の証券口座を開設しましょう。口座が開設できたら持株会の事務局へ連絡して、証券会社の口座へ希望の株数を移し売却することができます。

ただし、証券口座を開設するには数週間かかりますのでそれを踏まえて売却のタイミングを考えるようにしましょう。また、売却しなかったとすると通常の株主と同じように、配当金や株主優待が受けられるようになります。

 

まとめ

 

持ち株は従業員にとって先取りで資産形成を簡単にできるメリットがあります。少額で気軽に始めることもできるし、奨励金も受け取ることができます。しかし、あまり多くの金額を持ち株で運用してしまうと、会社の業績が給与や株価に与える影響も大きくなるので、金額はバランスよく考えてください。