長期投資で注目される「ESG投資」とは?

資産形成/資産運用

ワクワク家 夫婦の会話

会社の人からESG投資っていうのがあるって聞いたんだ。

ESG投資ってなに?

環境とか社会性とかに拘った投資信託らしい。

確かに今、地球の環境とか生活様式とかいろいろなことが見直されているから、そういったことに関係している企業に投資するのもいいかもしれないね。

 

将来への備えとして長期投資をする場合、どのように投資先を選べばよいのでしょうか。

気候変動やデジタル化の加速など世の中が大きく変わりつつあるなか、決算などの財務情報だけでは、長期的な投資判断材料として十分と言えません。

「ESG投資」は、長期的な視点に着目した手法であり、個人でも取り入れることができます。基本的な知識や始め方などを紹介します。

 

「ESG投資」って何?

 

ESG投資は、財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の要素も考慮した投資のことです。2006年に、国連が「責任投資原則」(PRI)でESGに配慮した投資を提唱し、機関投資家に賛同を求めたことが始まりです。簡単に言うと、短期的な利益を追求するのではなく、投資先の選定基準や投資先の決定などにESGの視点を組み入れることを求めるものです。

 

2021年2月15日現在、世界では3,726社が、日本では92社がPRIに署名しています。

年金基金など大きな資産を長期で運用する機関投資家を中心に、ESGの手法を取り入れた企業経営のサスティナビリティ(持続可能性)を評価する概念が普及するなど、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とあわせて注目されています。

 

 

「ESG投資」の国内での広がり

 

日本では、わたしたちの年金の管理運用機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2015年にPRIに署名し、2017年にESG投資を開始しました。GPIFの膨大な資産(2020年12月現在では約160兆円)が、ESG投資の手法を組み入れたことで、機関投資家の間でESGへの関心が高まりました。

日本のESG投資は、世界的にみると規模が小さく、まだ成長の余地があることがわかります。

 

 

日本政府もESG投資を後押ししています。機関投資家の行動指針(日本版スチュワードシップ・コード)が2020年春に改定され、ESG投資を重視することが明記されました。

また、2020年10月、菅首相が所信表明演説の中で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(カーボンニュートラル)」と宣言しました。年末には、2050年の脱炭素社会の実現に向けた実行計画がまとめられました。

政府の動きを受け、日本の代表的な企業が会員となっている経団連も、「経済界は政府とともに不退転の決意で取り組む」としています。

 

ESGへの取組みは、企業価値の向上に欠かせない要素との認識が定着し、今後、ESG投資の拡大が予想されます。また、個人投資家の関心の高まりから、ESGの要素を組み入れた投資信託が相次いで発売されています。

 

「ESG投資」のメリットは?

 

短期的な利益ではなく長期的視点でリスクを抑えつつ成長分野に投資をするESG投資は、老後の資産形成など長期運用に適しています。また、環境や社会に配慮した企業への投資は、社会貢献にも繋がります。

 

例えば、環境に配慮し紙製のストローに切り替えたカフェチェーンへの投資は、その企業の成長を支援するとともに、地球環境を守る行動といえます。

 

「ESG投資」を始めるにはどうすればいいの?

 

ESG投資をするには、以下の2つの方法があります。

①ESG銘柄に選定された投資信託を購入する。

②株式の個別銘柄を自分で選定する。

 

それぞれの方法について説明しましょう。

 

 

① ESG銘柄に選定された投資信託や上場投資信託(ETF)を購入する方法

手間なく始めることができるのが、この方法です。

証券会社や証券取引所のサイトなどにESG銘柄が掲載されていますので、目論見書や運用レポートなどを参考に銘柄を選定します。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のオフィシャルサイトには、採用しているESG指数が公表されており、この指数で構成されたETFを選定の候補とするのも、ひとつの方法です。

 

なお、投資信託のコストは、売買手数料のほか、保有し続ける限り信託報酬が発生するため注意が必要です。

 

② 株式の個別銘柄を自分で選定する方法

自分でESGの観点から個別銘柄を選定する方法です。

コストは株式の購入費用のみですので、ネット証券を利用すれば低く抑えられます。

 

ただし、数多くの企業の中からESGの観点で選定するのは至難の業です。ESG指数に採用されている企業からESG格付け機関のレーティング(格付け)を参考に選定する方法をおすすめします。

 

参考までに、投資家の評価が高いレーティングは以下のとおりです。

・サステナライティクスESGリスクレーティング(Sustainalytics’ ESG Risk Ratings)

 Company ESG Risk Ratings – Sustainalytics

・CDP

 https://japan.cdp.net/scores

・MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

 https://www.msci.com/msci-japan-esg-select-leaders-index-jp

 

気になる企業を絞り込んだら、企業のオフィシャルサイトの投資家向け情報(IR情報)やサスティナビリティレポートなどに目を通し、投資する企業を決定します。

企業の発信する情報が主な判断材料となるため、客観的な評価や比較検討が難しいかもしれません。しかし、ESGへの取組みを知ることで、自分が応援したいと思える企業に出会え、納得して投資できるのは魅力です。

 

まとめ

 

ESG投資は、ESGの視点を入れることで、リスクを低減し、長期的に比較的安定した運用を期待できる投資と言えます。まずは、自分が興味を持てるテーマから投資を始めることをおすすめします。

 

なお、投資であることから当然に確実性はありません。いずれの方法についても、リスク分散や定期的な見直しを心がけることが大切です。

 

 

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