「保険」での資産形成をすすめられていますが、本当にふえますか?

資産形成/資産運用

ワクワク家妻とイキイキ家妹の会話

友達から資産形成するなら保険が安心だって言われたけど、お姉ちゃんどう思う?

昔は保険で貯蓄する方法が多かったみたいだけど、今の時代あまり聞かないわね。

そうだね。きっとメリットとデメリットがあると思うからもう一度友達によく話を聞いてみるね。

 

「老後の生活資金として、個人年金だとあまり増えないので、何か効率良く運用できる方法はありますか。」「外貨建て保険をすすめられていますが、本当に増えますか。」「内容がよくわからない。」など保険での資産形成を提案されている方、検討している方からの相談を多くお受けします。

「保険」も資産形成の手段のひとつとして有効といえます。ただし、内容を理解し、その他の選択肢も検討したうえで判断しましょう。考え方と選択肢についてお伝えします。

 

「老後の生活資金として、個人年金保険の積立てではあまり殖えないので、何か効率良く運用できる方法はありますか。」

 

おっしゃる通り、最近の円建て個人年金保険では、なかなか増えないですよね。個人年金保険に限らず、日本円での運用は、最近の金利情勢や社会情勢から超低金利が続いています。

とはいえ、円建て個人年金保険は、決められた額を一定期間継続して積み立てることで、増えないまでも「資産形成」という点では、安心できる手段とも言えます。

一方で、外貨建てや株式などの「投資」は、経験値や価格変動による「減る」リスクがあるため、誰にでもおすすめできるものではありません。

 

老後資金を目的として考える場合、準備にかけられる時間はどのくらいあるのか考えてみましょう。

定年延長など企業によりさまざまな取り組みが増えていますが、現時点では、55歳で役職定年など以降の給与は頭打ち、60歳で定年退職、65歳まで1年更新の契約社員という企業が多いようです。

60歳まで積み立てられる、と考えると、時間を味方につけて、長期で有効に積み上げていきたいですね。

 

そのためには、目標額の設定とご自身のリスク許容度を知ることが大切です。

リスク許容度とは、外貨での運用は為替変動リスク、株式など投資商品は価格変動リスク、その他にも変動要因が考えられ、ゴール設定時の受取額が変わってくるため、「どの程度のプラスを期待し、どの程度のマイナスを許容できるか」の基準です。

大きく利益が出る可能性あるものは、同様に大きく損失がでる可能性もあります。

残念ながら、リスクなく利益の多い商品はありません。

リスク回避するために、いくつかの手段に分散させるというのも有効です。

 

保険で備えることのメリットは、毎月支払いが発生することで確実に資産を積み上げていくことができることです。

新型コロナの影響で経済情勢は停滞気味ですが、積立てを始めるには、よい機会かもしれません。ポイントは、「長期・分散・つみたて」です。

今後のライフプランの変化に対応できる積立額についても検討してみてください。

 

「外貨建て保険をすすめられていますが、本当に増えますか。」

 

ここまでお伝えしたとおり、外貨建ての商品には為替リスクが伴います。その通貨(外貨)であれば、提案書に表示された受取額が保証されている商品も多く存在します。ただし、一般的には受取り時に「日本円」で受け取るため、その時の為替状況により、さらに「増える」場合も「減る」場合も考えられます。

満期日(払込期間終了)以降も為替の状況を見つつ、外貨で保有したまま日本円で受け取るタイミングを選べる商品であれば利益を享受できる可能性はあります。

 

注意すべき点は、表示の積立利率は、運用における成果であり、手数料を考慮する必要があることです。運用は予定通りであっても手数料や税金が差し引かれて口座に入金されるケースです。投資信託などは信託報酬を表示することが義務付けられていますが、保険商品には運用コストや保険会社の販売コストが表示されていない場合が多くみられます。

また保険という性質上、万一の場合には「保険金」として受け取る際に為替を考慮することは難しいでしょう。

 

外貨建て保険は、保障を確保しつつ、日本円で貯蓄するよりは増える可能性に期待したい人にはおすすめです。

 

まとめ

 

保険は、長期間にわたる契約であるため、途中解約にはペナルティが発生する場合や損となるケースがあります。保険での資産形成が決してNGという訳ではありませんが、きちんと理解すること、保険以外の選択肢もふくめて検討したいものです。

 

投資初心者でもリスク許容度に応じた投資先が選択でき、税制面での優遇のあるiDeCo(個人型確定拠出年金)は、はじめの一歩としておすすめできる制度です。あわせて検討してみてください。