知っておきたい、資産形成における「リスク」とのつき合い方

資産形成/資産運用

ワクワク家 夫婦の会話

投資の話をしていると必ずリスクがあるって言われるんだけど、リスクってマイナスになる、怖いって意味だけなのかな?

確かにリスクって聞くと、なにか怖いことが起こるってイメージがあるよね。

でも、投資の場合、マイナスになることもあるし、プラスになることもあるでしょう?

確かにそうね。マイナスになることだけリスクっていうのかな?

超低金利が続き、銀行に預けているだけでは残高が増えないのは確かです。

だからといって「投資しなくてはいけない」ということではありません。資産を形成していくうえで「リスク」と上手くつきあっていくことが、将来にわたり自分らしく生きることへの近道です。まずは、リスクについて「知ること」から始めましょう。

 

リスクってこわい?

 

一般的にリスクを「危険」ととらえる場合が多いようですが、金融においてリスクは「不確実性」を意味します。具体的には「価格のブレ」という場合もあります。

「リスク」は、マイナス面だけでなく、プラス面も含まれます。思いがけず値上がりした場合もリスクと言えます。

 

たとえば、株式で考えてみましょう。Aという会社(銘柄)の株価は、昨日は1000円でしたが、今日は900円に下がりました。この時点で売却すると「損」になります。明日は1000円に戻る可能性もありますし、さらに700円や800円に下がる可能性もあります。もしかしたら1200円に跳ね上がるかもしれません。株式には「価格変動リスク」があります。

 

投資初心者がさまざまなリスクに関するなんの知識も持たず、いきなり「株式」を購入するのは、投資ではなく「投機(ギャンブル)」です。

 

上記の株式Aへの投資を考える場合、A社の財務状況やサービス内容、開発商品、他社動向などを調べます。顧客満足度や社会貢献などからも「期待できる」と判断できたら投資スタートです。

ネットなどで直近の値動きを確認したうえで、納得できる価格で購入できれば理想的です。

 

しかしながら、ここまで詳細に実践する投資家は少ないかもしれません。

身近な会社やお気に入りの商品を扱っている会社などへの投資も選択肢です。商品だけでなく新商品情報、社内での取り組み、販売実績、社長のコメントなどにも興味がもてるようになるでしょう。情報を得ることが第一歩です。投資先について知ることで、「リスク」を減らすことができるのです。

 

投資初心者にとって、知らない事象に対して「こわい」と感じることは当然かもしれません。少しずつ興味をもつことです。

リスクとリターンの関係

 

「リスクがなくて、儲かる商品ありませんか?」と聞かれることがありますが、実際には存在しません。

リスク(価格のブレ)とリターン(利益)の関係は、上図のとおりです。

あらかじめ利子が確定している債券は、低金利下ではリターンは望めません。個人向け国債などは、日本という国が保証しているためリスクが低いものの、直近利率(2020年10月募集分 税引き前利率0.05%)は決して高くはありません。

 

このような状況で高い金利で発行する債券は、償還できない可能性(デフォルトリスク)が高いため投資には覚悟が必要です。また海外債券には、為替が伴うためその分リスクが高まります。

 

高いリターン(利益)を得るためには、リスク(不確実性・価格のブレ)も高まることを理解する必要があります。

 

投資信託は、多くの人から集めた資金で複数の投資対象に分散投資をすることが特色です。

日々価格推移する株価をチェックしきれない一般投資家に代わってプロが運用することでもタイミングを逃しません(機会喪失リスクの回避)。

注意すべきは、投資信託には多数のファンドがあることです。金やプラチナなどの商品まで含め積極投資するタイプや新興国に投資するタイプ、日経平均に連動した国内主要株タイプ等さまざまです。目論見書(もくろみしょ)など運用方針が記載された情報を確認しましょう。

自分にあったリスク許容度を知る

 

 

一口に投資信託といっても、積立て投資か一括投資か、証券会社の特定口座かNISAかiDeCoで買い付けるかなど、さまざまです。

目的も背景も異なるでしょう。100万円が金融資産の全体を占める方と1%という方では捉え方は異なります。

 

また精神的ストレスについても考慮しましょう。同じブレ幅でも値上がりした時と値下がりした時では、同じ人が受ける衝撃でも値下がりした時の衝撃が大きいと言われています。

上記の図の場合、6日目に堪えられるかがポイントです。値下がり続け買い値を下回った際の精神的ダメージは大きく、この時点で耐えられず売却行動にでる傾向です。

 

値下がりしても耐えられる幅、「どこまで許容できるか」をリスク許容度といいます。

よく言われるのが、「価格が値下がりしたとしても、夜ぐっすり眠れるか。」という観点で考えてみることです。確かにそうかもしれません。

リスク許容度は変化する

 

それぞれの価値観や背景、経験値によって投資に対する姿勢はさまざまです。

第一歩は、リスクを抑えて確実にプラスに形成していくことをめざしましょう。

iDeCoやつみたてNISAで非課税枠を活用しつつ、投資に慣れていくことをお勧めします。

 

時間の経過とともに、投資スタンスは変化し、リスク許容度が変わる可能性もあります。

自分にあった投資方法や投資先が見つかるといいですね。

ファイナンシャルプランナーと一緒に考えていくことも選択肢です。上手く活用していきましょう。