60歳から投資を始めるのは遅い?

資産形成/資産運用

イキイキ家夫婦の会話

この前友達に、60歳から投資を始めてみたいと相談されたの。

退職金を使って投資を始める人もいるよね。

いまから投資するよりも、貯蓄しておいたほうがいいのかな?

 

老後の生活を年金のみで賄うのは難しいと考え、投資に目を向ける方も増えています。

なかには、「現在60歳。いまから投資を始めるのは遅いかな?」と悩む方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、60歳からの投資の意義や金融商品選び、運用時のポイントを解説します。

 

60歳からの投資は決して遅くない

 

60歳からの投資は決して遅くはありません。運用益を再投資して雪だるま式に増やす「複利」の効果を考えると、若いうちに始めたほうがよいのは確かです。とは言え、長い人生のなかで遅すぎるということはなく、投資も選択肢のひとつになります。

 

2023年7月に発表された厚生労働省の簡易生命表の概況(令和4年)によれば、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳です。男女ともに80歳を超えており、仮に60歳から投資を始めて70歳から取り崩したとしても、10年の運用期間を確保できます。

 

また、定年後、再雇用などで働く人も増えています。定年前よりも収入は減るものの給与という定期収入があるうちに、少しでも投資を行うことで老後資金を増やせるでしょう。

 

60歳からの投資はローリスクで資産の目減りを避ける選択を

 

60歳以降の投資は、ローリスクかつ値動きの少ない金融商品選びをおすすめします。投資商品の価格変動は、上がるときもあれば下がることもあります。若いうちは多少の損失があっても、取り戻す時間があるためカバーできますが、年齢が高くなると、大きな損失があった際に取り返しがつかない可能性があります。

 

値動きの激しいハイリスクの株式やFX、仮想通貨などは避け、指標に連動するインデックス型の投資信託や利回り確定の債券など比較的ローリスクの商品を検討してみてください。

 

また、2024年から新しくなるNISAもあわせて活用するとよいでしょう。NISAは、通常であれば運用益に対して約20%差し引かれる税金が非課税となる制度です。新しいNISAは、非課税期間の無期限化や投資できる金額の上限の拡大など使いやすい制度に変わります。

 

参考:新NISAってどういう仕組み?

 

60歳からの投資でおさえておきたいポイント

 

60歳からの投資では、大きな損失や投資詐欺などを防ぐためにおさえておきたいポイントがあります。以下の2点を参考に、知識をつけて投資に臨みましょう。

 

◾️投資は余剰資金で行う

投資は余剰資金で行うようにしましょう。労働収入がなくなると、年金や貯蓄の切り崩し等によって生活するようになります。貯蓄や退職金を一気に1つの金融商品へ集中投資は、すべての投資資産に影響を与えてしまう恐れがあるため要注意です。

当面の生活費や突発的な病気やケガに備えるためにも、一定以上の資産は、増えなくても元本保証の預貯金で確保しておくことが大切です。

 

◾️金融機関の窓口で即決せずに比較検討する

銀行の窓口でも投資信託などの投資商品を販売しています。勧められるまま即決することはおすすめしません。営業担当者は、自社の取り扱う商品の販売を目的としており、必ずしも中立的な立場で商品を紹介しているわけではないためです。
紹介される商品の中には複雑な構造でリスクの高いものや、手数料が高いものも含まれます。金融商品を購入する際には、よく分からないままに即決するのではなく、自宅に戻ってからゆっくり他社との比較検討や家族、信頼できる人に相談してみてください。

たとえば、投資信託の購入手数料は販売会社によって異なります。ネット証券では手数料が無料になる場合もあります。可能であれば、店舗型の金融機関だけでなくネット系金融機関も比較検討してみましょう。

 

まとめ:投資の知識をつけて資産形成を始めよう

 

人生100年といわれる現代、定年後の人生は長く続きます。60歳からでも、少しずつ投資して老後資金を増やすことも選択肢です。

しかしながら、知識がない状態で安易に投資を始めるのは危険です。高いリターンやメリットだけで投資先を決めたり、集中投資したりすると資産形成どころか大きな損失が生じる可能性もあります。

 

投資を始める際には、商品に対する理解や金融知識を身につけることが大切です。最近は書籍だけではなく、YouTubeやWeb記事などさまざまな媒体で学習できます。
ぜひ、自分にあった方法で資産形成を始めましょう。