なごみ家 夫婦の会話
確定申告が終わると、今度は住民税の支払いが始まるね。
そうだね、住民税って申告していないのにどうやって決まっているのだろう?
確定申告するとそれで決まるらしいよ。
だからよく知らないんだね。大切な税金だからしっかりと調べておこうか?
会社員の人であれば、毎月の給与明細で住民税が引かれているとは知っていてもあまり意識をしていないかもしれません。
所得税はその年の年末調整で、計算され納付までされますが、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、1年遅れて課税されます。
同じ税金なのに住民税について詳しく知っている人は多くないかもしれません。そこで今回は本当は身近な住民税は所得税とどのように違うのか、何に使われるかなど解説します。
住民税って何に使われてるの?
住民税は私たちが地域で生活するうえで必要な行政サービスを提供することに他の税金と合わせて使われています。住んでいる自治体に対して支払う税金です。
例えば、安全な暮らしのために警察や、救急車や消防車などの公共サービス、快適な暮らしのためにゴミの収集や、水道などの整備、道路や公園などの整備に使われます。また学校などの教育にも使われています。つまり、私たちが毎日暮らしている中で使われている税金なのです。
もし住んでいる自治体の住民税の収入が減ってしまうと、それらの公共サービスなどが十分に得られない可能性もあるのでとても重要な税金と言えます。
住民税の金額は前年の1月から12月までの1年間の所得に対して課税されますが、支払うのは1月1日に住んでいた自治体です。引っ越しなどをして現在は違う自治体に住んでいたとしても支払い先は変わりません。しかし、会社員のように給与から天引きされる特別徴収の人にそのことを改めてお知らせするわけではありません。
住民税の計算方法
住民税には2種類の税金があります。同じ地域の人なら同じ金額を負担する均等割と所得に応じた所得割があり、合わせて徴収されています。
東京都では所得割の金額は都民税1,500 円、個人区市町村民税3,500 円の合計5,000円です。
※平成26年度から令和5年度までの間、地方自治体の防災対策に充てるため、個人住民税の均等割額は都民税・区市町村民税それぞれ500円が加算されています。
これに対して所得割額は以下の計算方法で求められます。
所得の合計額-所得控除の合計額=課税総所得金額(1,000円未満の端数切り捨て)
課税総所得金額×税率=算出所得割額
算出所得割額-(調整控除+税額控除)=所得割額(100円未満の端数切り捨て)
※東京都主税局より
住民税の払い方(特別徴収・普通徴収)
会社員などのように給与から天引きして支払うことを特別徴収と言います。会社が給与から徴収してそれぞれの住所を有する自治体に収める方式です。
前年度分の住民税を12ヶ月分に分け、翌年の6月から翌年5月までの毎月の給料から特別徴収します。毎年、給与明細と一緒に住民税の決定通知書がお手元に届きます。
また、65歳以上の公的年金受給者においても、公的年金から特別徴収されます。
また、特別徴収の対象とならない自営業者などは、市区町村から送付される納税通知書に基づき、年4回に分けて納めます。支払い方は振り込みだけでなく、口座振替を選ぶこともできます。このように、自分で直接支払うことを普通徴収と言います。
所得税との控除金額の違い
住民税を計算するときも所得税と同じように所得控除がありますが、所得税とは金額が異なります。
所得税は年末調整や、確定申告で所得控除を適用して計算するのでどのような控除があり金額がどのくらいなのか知っている人もいるでしょう。しかし、住民税の場合は年末調整や確定申告行えば、市区町村において自動的に計算がなされるので、各自が控除を適用して計算する必要はありません。そのために、詳しく知らないと言う人が多いのです。
たとえば、社会保険料控除や、iDeCoなどの小規模企業掛金等控除は、所得税と同じ支払った金額の全額ですが、生命保険料控除や基礎控除や扶養控除などは所得税よりも少ない金額になっています。
すべての方に適用される基礎控除については、所得税は48万円ですが、住民税では合計所得2,400万円以下であれば43万円となります。
配偶者控除については所得税では13万円~38万円、住民税では11万円~33万円です。
一般の扶養控除は所得税では33万円、住民税では38万円、特定扶養控除は所得税では63万円、住民税では45万円と差があります。
こういった控除が少ないことと、税率が所得税と違いほとんどの自治体で10%程度なことが住民税が高いと感じる原因かもしれません。
まとめ
住民税はゴミの回収や道路の整備など暮らしの中で使い道を感じられる税金とも言えます。所得控除を増やして住民税の負担を減らすと言う考え方もありますが、より安全で豊かな生活を守るためと考えてしっかりと払っていきましょう。