共済に加入していたら医療保険は必要ない?

保険

イケイ家 夫婦の会話

今、医療保険に加入しようか考えているの。

すでに共済に加入しているからいいんじゃないの?

共済って医療保険と同じなの?

同じようなものじゃないの?

 

病気やケガへの備えとして、割安で加入のできる「共済」ですが、「医療保険」にも入っておいたほうがよいのでしょうか。保障の考え方について悩む方は多いようです。まずは、「共済」について、また「医療保険」との違いなどについて知ることから始めましょう。そのうえで、家計とのバランスやライフスタイルに応じて、安心のできる備えを確保するために「共済」と「医療保険」の加入について検討してみましょう。

 

共済って? 共済と医療保険は違うの?

 

共済は、もしもの場合に備え、組合員が組合員のために助け合うことを目的としています。自分が困った時に支払われる共済金は、同じように共済に加入している方の掛金で成り立っています。突然起こる事故やケガに備えて、組合員となり、共済に加入することで毎月お金を払い、その時に備えます。

 

共済も民間の医療保険も、リスクに対する保障であり、「相互扶助の精神(助け合い)」は共通しているので、無理に医療保険に入らなくても、共済で十分という方もいます。

どちらも、一定の金額を支払い、いざ何か起きた時にその掛金のなかから、お金(共済金・保険金)が支払われます。

 

共済のメリット

 

・掛金が安い

・コスパがよい

・保障がシンプルでわかりやすい

・剰余金があれば、割戻金が支払われる

・営業されない

 

共済の掛金は、多くの場合、1口1,000円で口数に応じて申込むことができます。2口での申込みなどにより保障を充実させることも可能です。医療保険と比較すると、少ない負担で保障が得られることは魅力です。

 

また、共済ならでは特徴とも言えますが、決算において、剰余金があれば、割戻金が支払われる場合もあります。組合員が支払った掛金から助けを必要とした組合員への共済金支払い分を差し引いて残った資金を組合員で分配します。つまり1年ごとに精算するしくみです。支払ったお金が戻ってくるのは嬉しいものですよね。

 

共済のデメリット

 

・組合員にならないと加入できない

・選択肢が少ない

・高齢期の保障が少ない

・破たんリスク

 

民間保険会社の医療保険には、さまざまな特約や選択肢があることと比較すると、共済はパッケージ化されているため、基本的に、それぞれの保障内容について追加削除の選択肢がありません。シンプルで迷わないとの表裏一体と捉えることもできるかもしれません。

 

おさえておくべきは、65歳以降の保障が手薄になることです。多くの場合、掛金は変わらずに保障される額が減少します。基本的に、共済は1年ごとの自動更新のため、気づかないうちに保障が不足していたということにもなりかねません。

 

医療保険は、共済の上乗せとして考えたい

 

「共済に加入していたら医療保険は必要ない?」という質問に対しては、一概に肯定も否定もできません。保険料負担のメリット、高齢期の保障といったデメリットなどを知ったうえで、それぞれのライフスタイルや家計にあわせて備えを考えたいものです。

いずれにしても、将来のリスクに対して「安心できる」体制づくりが大切です。

 

選択肢としては、以下の3つが考えられます。

  • 共済で備える
  • 医療保険で備える
  • 若いうちはダブルで最強の備え、リタイア後は終身の医療保険で安心

 

①共済で備える

病気やケガの場合でも、貯蓄のなかから医療費を支払うことができれば、基本的に共済や保険で備える必要がありません。会社での福利厚生が充実している場合は、家計の負担はない(もしくは抑えられる)かもしれません。

 

とはいえ、少ない負担で保障が得られるのであれば、安心のために共済に加入することは選択肢です。発生リスクは少ないものの、先進医療特約の備えがあると、もしもの場合の治療の選択肢が拡がります。

 

また、病気やケガのリスクについて備えておきたいと思いつつ、日々の生活に追われ、考える時間がない、家計がキビシイという方は、まずは検討したい備えです。本来であれば、将来を見据えて、じっくり考えたいところですが、なかなか時間がとれないという方は多いものです。だからといって、備えがない状態では不安でしかありません。はじめの一歩として、保障を確保することには意味があります。

 

②医療保険だけでいい

考え方は、共済で備えるのも、医療保険で備えるのも同じです。ただし、何でどう備えるかという点が異なります。

 

民間の医療保険であれば、「一生涯(終身)の保障を確保したい」「がんに特化した保障にしたい」「現役時代に払込みを完了させたい」などさまざまな要望に応じてオーダーメードの保障を備えることも可能です。また、最近では、健康相談や各種提携会社への割引特典など保険会社独自の無料付帯サービスも充実しているため、上手く活用することもおすすめです。

 

③若いうちはダブルで最強の備え、リタイア後は終身の医療保険で安心

医療保険を主として備え、上乗せとして共済で備えるパターンです。

 

子育て世代は、医療保険と共済とのダブル保障があれば心強いでしょう。医療保険で相応の保障を備えると保険料負担が大きくなりますが、共済と組み合わせることで、保障額に対する保険料負担は抑えられるのが魅力です。また、高齢期には、共済を外しても、医療保険のみで保障が確保されるため安心です。

 

まとめ

 

「リスクに備える」という点では、共済も民間の医療保険も変わりません。ただし、運営団体や主旨が異なるため、それぞれにメリット、デメリットがあります。

 

共済に加入していたら医療保険は不要かと言うと、共済は安くて保障も充実しているためあえて医療保険に加入する必要はないとも言えますし、やっぱり自分にあった医療保険があると安心という方もいます。

 

いずれにしても、メリット、デメリットを知ったうえで、それぞれのライフスタイルや家計にあわせて備えを考えることが大切です。将来のリスクに対して「安心できる」体制づくりをめざしましょう。