高額療養費制度の対象となる医療費・ならない医療費は?

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ワクワク家 両親の会話

先月入院した時の治療費、高額療養費制度を申請すれば、治療費が戻ってくるってきいたんだけど、支払った全部対象になるのかな?

個室代はダメなんじゃない?ほかは全部なるのかな?

そうだよね、詳しく聞いてみよう。

 

ケガや病気で入院・手術となった場合、期せずして、医療費が高額になることがあります。高額療養費制度を利用すれば、月あたりの自己負担額を一定額まで抑えることができます。いざというときに慌てないよう、高額療養費制度の対象となる医療費・ならない医療費について知識を深めましょう。

 

対象となる医療費、対象とならない医療費は?

 

高額療養費は、1か月の間に、医療費が高額となった場合、加入している健康保険に請求することで、一定額を超える部分について払い戻される制度です。自己負担限度額は、年齢や所得水準によって金額が異なります。

 

高額療養費の算定は、1日~末日までの月ごと、同一の医療機関ごとに行われます。

高額療養費の対象となるのは、医療機関に支払う費用のうち、健康保険適用となる医療費です。

例えば、診察料、入院料、検査費、注射代、手術代、投薬などです。一方、高額療養費の対象とならない費用には、入院時の差額ベッド代や病院の食事代、診断書などの文書作成費、自由診療の費用、通常分娩費、健診費用などがあります。

 

具体的に、病院に入院した場合の領収書を例に見てみましょう。

保険の欄に記載された医療費が高額療養費の対象となります。一般的に3割の負担とはいえ、40万500円の支出は生活に影響するでしょう。そのため、高額療養費制度を活用することで、下図の計算のとおり、自己負担額上限額9万780円を超えた高額療養費30万9720円を取り戻すことができるのです。

※協会けんぽHP掲載資料をもとに、筆者作成

 

また、、確定申告をすることで、医療費控除により所得税が還付される可能性もあります。医療費控除は対象範囲が広く、高額療養費の対象とならない保険適用外の診療費や入院中の食事代なども対象となりますので、忘れずに申告しましょう。

 

「世帯合算」とは?

 

高額療養費の算定は、同一の医療機関で負担した医療費が対象ですが、負担軽減措置として、世帯合算という仕組みがあります。

世帯合算とは、自己負担限度額を計算する際に、同一世帯内で、同じ健康保険に加入している70歳未満の人が、同一医療機関で2万1000円以上負担した医療費が複数あれば合算できるというものです。70歳以上の人は、2万1000円以上の縛りなく、全ての保険適用医療費を合算することができます。

 

では、70歳未満の人の自己負担額について、同一の医療機関とは、どのように考えればよいのでしょうか。下記の要領で計算して2万1000円以上となった自己負担額が合算対象となります。

 

・受診者ごとに、1か月内の同一医療機関での自己負担額を計算する。

・同一医療機関であっても、入院と通院は分けて計算する。

・同一医療機関であっても、医科と歯科は分けて計算する。

・処方箋により院外の調剤薬局で調剤を受けた際の薬代の自己負担額は、医療機関の

自己負担額に含めて計算する。

 

世帯合算の具体例を紹介

 

世帯合算について、具体例でみてみましょう。

下の表は、同じ健康保険に加入している世帯内で、1か月の間にかかった保険適用医療費の自己負担額を記載したものです。これらの自己負担額についての合算可否は、表の右に記載している通りです。

 

[Aさん世帯の1か月間の保険適用自己負担額]

(Bさん、Cさんは、いずれも被扶養者)

まとめ

高額療養費は、入院や手術の場合だけでなく、通院や処方箋による薬代も対象となります。入院日数の短期化により、退院後の通院診療費がかさむ傾向にあります。

入院中に、医療機関のソーシャルワーカーなどから高額療養費のアドバイスをされることもありますが、世帯合算などは、外部の人では把握できないため、自分で能動的に行動しなければ制度の恩恵を受けられません。

また、加入する健康保険によっては、高額療養費制度をさらに手厚くする付加給付を設けている場合もあるため確認しておくとよいでしょう。

 

1回あたりの医療費の自己負担がさほど高額でなくても、世帯合算で高額療養費の対象となる場合もありますので、ぜひ、頭の片隅に留めておいてください。

 

 

 

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