他人事ではない? 乳がんの「リスク」と「備え」の必要性③

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ワクワク家 兄夫婦の会話

ママ友が乳検診で、乳がんが見つかったっていっていたの。

健康診断は大事だよ。ちゃんと受けてるよね?

ちゃんと検診は受けてるよ。もしもの時は早期発見が大事だからね。

 

2021年5月から始まった乳がんシリーズ、今回は第3回目です。

前回は、乳がんとはどのような病気なのか、その治療方法とステージ、サブタイプ分類についてお伝えしました。

乳がんは乳腺組織にできる「がん」であり、手術、放射線治療、薬物療法の3種類の標準治療と呼ばれる療法により治療が行われること、乳がんはステージによって早期乳がんと進行性乳がんと呼ばれる段階があること、乳がんの治療の基本はサブタイプ分類によることなどの内容でした。

今回は、私の乳がんがどのように発見され、どのような治療を行ってきたのかを時系列でお話します。私自身の生身の体験談を通して乳がん治療のリアルをお伝えできればと思います。

 

乳がん発見のきっかけ

 

私の場合は、定期検診で乳がんが発見されました。

そもそも、なぜ乳がんの定期検診を受けることになったのかというと、更年期障害の治療を始めたことがきっかけでした。

2017年4月の52歳の時、ホットフラッシュが毎日続いたため、薬を処方してもらえれば嬉しいくらいの軽い気持ちで、近所のレディースクリニックに行きました。

 

更年期障害の治療は女性ホルモンを補充するという治療が一般的です。受診して初めて知ったのですが、治療を始める前に乳がんと子宮頸がんの検診を受けて問題ないと診断されなければ更年期障害の治療をスタートできないのです。

※クリニックによってクリアの基準は変わるようです

 

そして検診の結果、私は両方のがん検診をクリアして、翌月から治療をスタートさせました。ただし、乳がん検診の結果については、悪性腫瘍はないものの、両胸に計3つの良性腫瘍があるとのことで、経過観察なり半年に1回の乳がん検診が義務付けられました。

 

乳がんの発見・再検査

 

翌年2018年3月に2度目の乳がんの定期検診を行いました。そこで、乳がんの疑いがあると言われ、再検査になったのです。

乳がんの疑いのある腫瘍は、初回の検査で見つかった3つの良性腫瘍が乳がん化したものではなく、新たに別の場所に発生した腫瘍でした。

 

再検査は「吸引式組織生検」という太い針を胸の中に刺して悪性腫瘍の細胞を吸引するという方法でなされました。検査の結果は再検査から2週間後でした。

 

乳がんの告知

 

再検査の結果を知らされるまでの2週間は、当然ながら落ち着かない日々でした。

「怖い」とか「もしかして手遅れじゃないのか」という具体的な不安よりも、「がんだったら治療が大変そう」という漠然としたものでした。

 

「しこりを感じる等の自覚症状はなく定期検診で見つけられる乳がんは、早期発見なので、しっかり治療ができる」という認識があり、すぐに「死」と結び付けて考えることはありませんでした。

ただ、「がん」であって欲しくないという気持ちは当然強く、祈るような毎日であったことは言うまでもありません。「本当に乳がんだったら…がんは命にかかわるし緊急性があるわけだから2週間も待たされないだろう」、「先生は、念のために受けておこうね、くらいの気持ちだったのではないか」と思い込もうとしていました。

 

しかし、残念なことに私は乳がんでした。

 

告知は、普段の診察と同じようなリラックスした雰囲気の中で行われました。

乳がんの告知を受けたサバイバーの方々の多くが、人払いをして重苦しい空気の中で告知を受けたといいますが、私の場合は一切そのようなことはありませんでした。

おそらく、患者の年齢や性別や性格、そして腫瘍の大きさ、推定されるステージなどを考慮し、医師も告知の仕方を変えているのではないかと思われます。

私の場合は、画像診断の検査結果から腫瘍自体は大きくないので症状が進んでいる乳がんではない、と予め担当医が当たりを付けていたのではないかと思います。

 

従って、告知の後、すぐに具体的な治療の進め方に話が移行しました。

私も取り乱すことなく、今後の治療スケジュールについて真剣に聞いていました。ステージが進んでる病状ではないとわかったら、患者である私の最大の関心事は「どのように治療していくか」だったからです。

 

乳がんの告知から入院まで

 

私の乳がんは画像診断の結果、大きさから判断してステージ1で、転移はないだろうということでしたので、最初の治療として手術を行うことになりました。

 

がんの手術をするには、さまざまな検査が必要です。

告知が午前中で、午後から早速CTや骨シンチグラフィーやMRI、血液検査、心電図などの検査が続きました。入院までの2週間は、ほぼ1日おきに病院に通い、何かしらの検査を受け続ける忙しい毎日でした。

 

まとめ

 

今回は、乳がん発見のきっかけから告知、そして入院までをお話しました。

定期検診で乳がんが発見されて再検査になった場合、その結果を知らされるまで2週間程かかります。乳がんは他の部位のがんと違い進行が遅いので、告知までの2週間で手遅れになるほど進行が進むとは考えにくいのです。

告知を待つ期間は落ち着かない日々ですが、現在の乳がんの治療はステージ3までは完治を目指して行います。

 

最悪な想像ばかりでなく、結果を聞く日は告知に備えて筆記用具を持っていく、ご家族に一緒に行ってもらうなどの準備をして病院に行くことをおすすめします。

 

次回は「私の乳がん体験」の続きとして、入院・手術から抗がん剤治療についてお伝えします。抗がんの種類によって副作用も違ってきますが、初発乳がんにおける抗がん剤治療中の生活などについてお話ししたいと思います。