子どもが医療系の学校に進学希望!卒業までにいくらかかる?

子どものお金

ワクワク家 夫と兄の会話

息子が将来医者になりたいって言っているんだ。

将来お医者さんが身内にいると心強いね。

医学部はお金がかかるだろ?一体いくらかかるのかな?

調べてみたら?何か方法があるかもしれないよ。

 

子どもの進路について、希望は叶えてあげたいと思うのが親心。しかしながら、それが医療系の学校だった場合、かなりの学費がかかることが予測されます。いったい卒業するまでにどのくらいのお金が必要になるのでしょう。学費の準備ができそうにないときには、ほかにどのような方法があるのか、とても気になります。そこで今回は、医療系大学へ進学した際にかかる学費の目安と、学費を準備できないときに活用できる方法をご紹介します。

 

医療系大学の学費はどのくらい?

 

医療系の大学ではどのくらいの学費がかかるのでしょうか?まずは、私立大学の医学部、歯学部、薬学部、保健学部における初年度にかかる費用を見てみましょう。

 

大学への進学が決まったら、合格発表後から概ね2週間以内に入学料と前期授業料を同時に納入する必要があります。

 

次に、上記の平均額をもとに、次年度以降の授業料が初年度と同額だと仮定した場合、卒業までの学費はどのくらいになるのか試算してみます。

 

医学部、歯学部は6年制、保健学部は4年制です。薬学部は薬剤師を目指すなら6年制、その他の場合は4年制となります。授業料は年度により変わる場合が多く、卒業までの学費は入学する大学により大きく異なります。ただ、目安となる額は知っておきたいですね。

 

◎入学料+(授業料×6年もしくは4年)+(施設設備費×6年もしくは4年)

 

・医学部(6年制)の場合:2345万780円

・歯学部(6年制)の場合:2330万2327円

・薬学部(6年制)の場合:1076万1025円

・保健学部(4年制)の場合:516万7981円

(※上記はあくまでも目安です)

 

在学期間が長くなる医学部、歯学部、薬学部では、大学への納入額が高額になるため、資金準備はかなり厳しいものになりそうです。

 

では、国公立大学の学費はどのくらいなのでしょうか?

 

国立大学の場合、入学料と授業料は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」により決められています。この省令で決まっている国立大学の標準額は以下の通りです。

 

○国立大学の標準額

・入学料:28万2,000円

・授業料(年額):53万5,800円

※大学によっては、授業料がこの金額より高くなるところがあります。

 

国立大学医学部へ入学した場合、トータルの学費を試算してみました。

◎入学料+(授業料×6年)=349万6800円

 

私立大学と比較すると、学費をかなり安く抑えることができますね。

 

公立大学の授業料は国立大学と同等の額ですが、入学料は大学の所在地出身の学生は安く設定され、地方出身の学生は高くなる場合があります。

 

高額な学費が準備できないときに活用したい方法

 

入学までに学費を用意することができなくても、奨学金制度や公的制度、民間の教育融資などを活用する方法があります。

 

□奨学金制度を利用する

進学費用を準備するために使える奨学金の代表的なものは、日本学生支援機構が実施する奨学金です。学生自身が借り入れて卒業後に返済します。この奨学金には、住民税が非課税世帯とそれに準じる世帯が利用できる給付型奨学金と、収入要件により利用可能な貸与型奨学金があります。さらに貸与型には無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があり、保護者の収入金額によって利用できるものが決まります。

 

奨学金は、このほか、自治体が独自で実施するものや、大学が実施するもの、病院が独自で実施するものがあります。利用できる奨学金があるか、お住まいの自治体や進学希望の大学ホームページで調べてみましょう。

 

□国の教育ローンを利用する

日本政策金融公庫が実施する教育ローンは、低利子で借り入れができるのが特徴です。これは保護者が借り入れをして返済します。この教育ローンは、日本学生支援機構の奨学金との併用も可能です。

 

□高等教育の修学支援新制度

高等教育の修学支援新制度は文部科学省が実施する国の制度で、令和2年4月から始まりました。これは、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯を対象とした制度で、授業料・入学料の減額または免除と、日本学生支援機構の給付型奨学金が受けられます。医療系大学の中にはこの制度の対象機関となっている大学もあるので、調べてみるとよいでしょう。

 

医療系でも授業料がかからない大学がある

 

医療系大学でありながら、一定の要件を満たせば授業料や入学金の納入が不要になる「修学資金貸与制度」を設けている大学があります。

 

□自治医科大学

自治医科大学の修学資金貸与制度は、大学が入学者全員に学生納付金相当額や入学時学業準備費を貸与する制度です。卒業後、指定する公立病院などに医師として9年間勤務すれば貸与を受けた入学金や授業料などの返還が免除されます。

 

□防衛医科大学校

防衛医科大学校の学生は入学金や授業料が無償です。また、毎月の学生手当と年2回の期末手当が支給されます。卒業後、医学科は自衛官として9年間、看護学科は6年間勤務する必要があります。

 

□産業医科大学

産業医科大学では、公益財団法人産業医学振興財団が学生納入金の一部を貸与してくれる修学資金貸与制度があります。卒業後、医学部の学生は産業医等として9年間勤務、産業保健学部の学生は4年間返還免除対象の職務へ就いた場合は、貸与を受けた全額が返還免除となります。

 

まとめ

 

医療系の大学は学費が他の学部に比べて高額であり、さらに在学期間も長くなるため、かかる費用はかなりの額になります。ただ、学費の準備ができない場合でも、奨学金や国の教育ローンのほか、学費が減免される支援制度が利用できる可能性もあります。また、一定の要件をクリアすれば、学費がゼロになる大学もあります。もし子どもから医療系大学に進みたいと言われたときは、貯蓄状況を確かめながら、利用できる制度などを検討してみましょう。