投資を始めようと一般NISA口座を開設したものの、20年間にわたり非課税での積立て投資が可能な「つみたてNISA」に興味があるという方も多いかもしれません。では、一般NISAからつみたてNISAへ変更するにはどうすればいいのでしょうか？今回は、それぞれの違いをおさらいしながら、NISAからつみたてNISAへの変更手続きについて、わかりやすく解説します。

 

NISAとつみたてNISAの違い

 

NISAは、一定金額の投資から得られる運用益や配当金などが非課税になる税制優遇制度です。NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2種類がありますが、併用できないため、どちらか一方を選んで投資することになります。れぞれの違いは以下のとおりです。

 

 

NISAは5年間の非課税期間が終了すると、ロールオーバーにより、さらに5年間、非課税での投資ができます。つみたてNISAは20年間と長期にわたって非課税投資ができますが、非課税期間が終了したらロールオーバーはできません。

 

また、NISAは2024年に新NISAへ移行します。現時点で保有するNISA口座は2024年になると自動的に移行されます。新NISAは非課税投資枠がこれまでとは変わって2階建てになります。

 

・1階部分：つみたてNISAと同様の投資信託に投資でき、非課税投資枠は年間20万円

・2階部分：これまでのNISAと同様の金融商品に投資でき、非課税投資枠は年間102万円

 

NISAを変更する前に、NISAとつみたてNISAの違いや新NISAへの移行について押さえておきましょう。

 

NISAからつみたてNISAへ変更する方法

 

NISAからつみたてNISAへは、年単位で変更することができます。その際、手続きをする時期が決まっています。翌年からつみたてNISAへ変更したいときは、前年の10月から12月に取引のある金融機関で手続きをします。多くの金融機関では、サイトから手続きの申し込みをすると、後日「非課税口座異動届書」が郵送されてきます。その届書に必要事項を記入し、必要書類を添えて返送すれば金融機関で変更してくれます。

 

また、NISA口座とつみたてNISA口座は年単位で金融機関の変更が可能です。NISAからつみたてNISAへ変更するタイミングで金融機関を変更することもできます。その際は、元の金融機関で「勘定廃止通知書」または「非課税口座停止通知書」を入手したうえで、新しい金融機関でつみたてNISA口座を開設する手続きをしましょう。

 

通常は、翌年からの変更の場合、10月から手続きすることができますが、1月から9月の間に手続きすれば、その年からの変更が可能です。ただし、一度でもNISAで買い付けを行っている場合は、その年からの変更はできないので注意が必要です。

 

つみたてNISAへ変更するとNISA口座はどうなるの？

 

NISAをつみたてNISAへ変更した後、元のNISA口座はどうなるのでしょうか？

同じ金融機関内で変更した場合は、NISA口座に残っている資産は、非課税期間内はそのまま非課税で運用できます。ただし、ロールオーバーはできないため、非課税期間が終了したら課税口座へ移管されます。

 

金融機関を変更した場合は、持っている資産を新しい金融機関へ移管することはできません。ただ、非課税期間内は元の口座で非課税運用ができます。しかし、ロールオーバーはできないので、非課税期間終了後は課税口座に移管されます。

 

まとめ

 

NISAからつみたてNISAへは年単位で変更できます。その際、翌年から変更したいときは、前年の10月から12月の間に、取引のある金融機関で手続きをします。1月から9月の間に手続きすればその年からの変更も可能ですが、一度でもNISAで買い付けをしているときは変更ができません。また、金融機関を変更して新たにつみたてNISA口座を開設することも可能です。ただし、変更するタイミングや元のNISA口座でのロールオーバーができない点など注意すべき点もありますので慎重に検討したいものです。