イキイキ家 両親の会話
今つみたてしている投資信託っていつ売ったらいいのかしら?
必要にならなければそのまま運用していたらいいんじゃないかい?
リフォームの予定もあるし、お金がかかることがあるのよ。今はいいけど下落してしまうことが不安なのよね。
じゃあ、どんな時に売却するかルールを決めておいたらいいんじゃないかい?
資産運用の手段として、投資信託を選ぶ人は増えています。老後2,000万円問題が取り上げられて以降、より注目されるようになりました。ただ、投資信託の購入については、Web上でもさまざまな情報があるものの、売るタイミングについてはどうしたらいいの、という声も多いものです。より豊かな人生を送るためにも、投資信託についてきちんと理解しておきたいですね。この記事では、目安となる売却や取り崩しについて解説します。
投資信託の売りときって?
売買期間が限定されている投資信託を除いて、基本的に証券会社の営業日であれば、いつでも好きなときに売ることが可能です。ただし、よりよいタイミングで売却するためにも、以下のような状況であるときが目安です。
■投資目標を達成したとき
投資をする最終的な目的は資産を増やすことです。あらかじめ設定した投資目標をクリアしたときが売りどきと言えるでしょう。
臨機応変に投資したほうが良いという意見もありますが、自分なりのルールや目標を決めずに投資を続けると、高い確率で損失が発生する傾向があります。
投資目標は金額と期間を決め、達成した時点で、売却か継続かについて検討します。もしくは、目標の再設定も選択肢です。くれぐれも、思いつきや気分で売却することは避けましょう。
■大幅な下落で損失が出たとき
投資信託は、比較的安全性が高い投資商品と言われますが、選ぶ商品にもよりますし、絶対はありません。投資には大きな魅力がありますが、一方でリスクとデメリットがあります。
投資信託の売るタイミングとして、大きな損失が生じた場合もあります。
「もっと待てば価格が上がる」と考えて放置しておくと、ますます下落していく可能性があるのです。そういった理由から、明確な損切ラインを決めておき、そのラインに到達したら売るようにしましょう。
■予定外に家計収支がきびしいとき
家計は、常に収支がプラスの状態が理想的ですが、マイナス家計が続いてしまう可能性は誰にでもあります。
たとえば、失職・リストラの影響でそれまでの収入が維持できない場合には、取り崩しが必要になります。予定よりも前倒しでライフイベントが発生することも考えられます。
長期での投資が有効ですが、人生を総合的に判断した上で取り崩すことは決して悪いことではありません。
■当初予定した取崩しの年齢に達したとき
あらかじめ設定した投資期間が経過した場合、多くの場合、退職や年金受給開始年齢などが考えられます。順調に推移しているケースでは、継続の意向が強くなりがちですが、勇気をもって売却することも大切です。公的年金の上乗せとしての大切な資金と考えると、殖やすよりも守ることにフォーカスしたいものです。リタイア後の生活と資金について、あらためてプランニングし、余裕があるようであれば、これまでよりリスクを抑えた投資を継続することも選択肢かもしれません。
前もって、取り崩しのシミュレーションも可能
証券会社の投資信託の商品ページで、取り崩しシミュレーションができる場合があります。取り崩しにおいては、まずは何歳から開始するか時期を決めておく必要があります。
取り崩すときは貯蓄の総額、他の投資商品の総額なども踏まえて考えましょう。
資産がいくらあるかによって、毎月の取り崩せる金額と期間が変わってきます。
現在は人生100年時代と言われているので、高齢まで生きることを前提にしたうえで時期や金額を決めることが大切でしょう。
まとめ
資産形成の手段として投資信託を活用する場合、将来は売却することになります。老後資金など目的を決めたうえで、目標額を設定し、それまでの期間からの逆算で積立金額を設定します。本来であれば、必要となるそのときまで運用を継続したいものですが、価格変動やライフスタイルによって、状況が異なることもあり得ます。
思いがけず、早い段階で目標額に到達することも、あるいは、大きく損失になることも、可能性として想定しておきたいものです。漠然と投資を続けるだけでは意味がありません。
お金は人生を豊かにするツールであることをふまえたうえで、投資を考えていきましょう。