金融商品のリスクってどういう意味?

資産形成/資産運用

ワクワク家妻とイキイキ家妹の会話

株とか投資信託の話を聞くと必ずリスクって言葉が出てくるけど、リスクってことは危険という意味なのかな?

ちょっと違う気がする。そんなに危険なことなら国もiDeCoやつみたてNISAとか進めたりしないと思う。

じゃあ、リスクって本当はどういう意味なのかな?

 

金融商品のリスクと聞くと、「価格が値下がりする」「持っている株の企業が倒産する」など、マイナスなイメージを持つかもしれません。しかし、金融商品のリスクとはマイナスになるイメージのことだけを指すわけではありません。

資産形成、資産運用をする上で、正しく理解しておきたい〝金融商品のリスク″を詳しく解説していきます。

 

リスクとは「ブレ幅」のこと

 

日常生活や損害保険において「リスク」といえば、ケガやモノの損壊など、その事柄が起きる可能性という意味で使われます。

 

しかし、金融商品のリスクは、損失が生じる値下がりなどだけでなく、値上がりすることもリスクといいます。つまり、リスクとは、価格変動のブレ幅のことを言います。

このブレ幅が小さいと、リスクの少ない商品、ブレ幅が大きいとリスクが高い商品になります。さらに、価格が下がる要因、上がる要因などもリスクに含まれます。

 

リスクとリターンは反対の意味だと勘違いしやすいですが、リスクはブレ幅のことをいい、リターンは利益のことなどを指します。リターンが大きな金融商品は価格変動の幅が大きく、ハイリスク、ハイリターンと呼ばれます。

 

暗号通貨やFX、政治的や経済的に不安定な新興国の債券などが代表的です。

これに対してローリスクなのは定期預金や、個人向け国債など金融商品は、値動きも少ない分、大きな値上がりも期待できないローリターンな商品となります。

 

 

必ず知っておきたい4つのリスク

 

投資を始めるのであれば、必ず知っておきたい4つのリスクがあります。このリスクを理解した上で、自分にあった商品を選ぶようにしましょう。

 

1.価格変動リスク

 

価格変動リスクは、金融商品値動きの幅のことを言います。

価格変動リスクが大きな金融商品としては、暗号通貨やFXをはじめ、株や外貨建ての金融商品などを組み込んだ投資信託などが挙げられます。株や為替は1日のうちでも一気に値上がりすることや、大きく値を下げることもあります。

 

一方、預貯金は最初に預けた元本に対して、預入日数に応じた利息が付きます。元本は保証されますが、高金利時代でもなければ、大きく増えることもありません。価格変動リスクは、ほぼないと言えます。

 

2.信用リスクとは

 

信用リスクとは株や債券など発行体のリスクのことです。

企業の経営状態が悪く、上場廃止や倒産により株の価値がなくなったり、国債を発行している国の情勢や財務状態が悪化し、利払いや元金の返済がなされなくなるというデフォルトなどの可能性をいいます。

信用リスクは、格付け会社の格付けを使って確認することができます。格付けが低い場合は、あらかじめ決められた条件で利息が支払われないなど債務不履行になる可能性が高く、反対に格付けが高い場合は、安定したリターンが見込めます。格付けはアルファベットで表示され、AAA(トリプルA)、AA(ダブルA)、A、BBB(トリプルB)までが投資に適した商品です。BB(ダブルB)以降は、債務不履行の可能性は高くなるため、一般の投資家には向いていません。

 

3.為替リスクとは

 

為替リスクとは、為替相場が変動することです。為替とは、異なる通貨の交換比率のことで日本円とアメリカドルの交換、日本円とユーロなどの交換比率です。

 

海外から輸入している商品が100円だったものが、80円になることを「円高」、100円だったものが120円になることを「円安」といいます。

円高であれば、海外から輸入するときは、実際に支払う金額は少なくてすみますが、反対に輸出の場合は、売上金額が減ってしまいます。円安のときは反対のことが起こります。

 

外貨建ての金融商品の場合、日本円を基準にすると、円高になると値下がりし、円安になると値上がりします。

 

4.カントリーリスクとは

 

カントリーリスクとは国や地域における政治情勢や経済情勢などの影響のことです。その国の債券やその地域で上場されている企業の株などの価格が大きく変動することや債券の支払いが行われなくなるなどのリスクのことです。

戦争が起こる、クーデターやテロが起こる、大規模災害が発生する、他国から経済制裁が起こるといった要因で、価格の変動が発生し、無価値となる可能性もあります。

 

まとめ

 

リスクというと値下がりや倒産など損失が出ることをイメージしがちですが、金融商品のリスクは値上がりすることも含め、変動の幅が大きいことを指しています。原則として、リターンとの関係は、リスクと比例します。

金融商品のリスクには、価格変動のほか、発行体や預入先の経営状態の悪化や倒産などによって価値が失われる信用リスクや外貨建て商品に見られる為替リスク、戦争やクーデターなど国や地域特有のカントリーリスクなどもあります。

これらのリスクを正しく理解した上で、金融商品を選ぶようにしましょう。