貯金が1,000万円を超えたらどのくらい投資に回していいのかな?
全額投資に回すのはリスクがあるから、資金を分けたほうがいいよ。
確かにリスクが心配よね。
どんなふうに投資したらいいか知りたいな。。
預金保護制度により、1つの銀行預金口座で保護される預金は「1,000万円とその利息まで」と定められています。
貯金額が1,000万円を超えた方のなかには「預金を活用して資産運用を始めたい」とお考えの方もいるかもしれません。
今回は、投資に回す資金の目安やおすすめの投資方法を詳しく解説します。
貯金1,000万円はどのくらい投資に回していい?
貯金が1,000万円あるからといって、「とりあえず半分を投資に回そう」など無計画に考えるのは危険です。
まずは投資に回すお金とそうでないお金を分けておきましょう。
基本的には、資金を「生活防衛資金」「ライフイベント資金」「余剰資金」の3つに分けると、万が一のときの備えができるため安心です。
■生活防衛資金
生活防衛資金とは、病気やケガ、災害などで働けなくなったときや失業・転職により一時的に収入が途絶えるときなどでも、これまで通りの生活を維持していくために備える資金のことです。
緊急時でも引き出せるよう流動性のある普通預金で確保しておきたいものの、食費や水道光熱費などの日常生活費とは別にしておくことをおすすめします。
「日常生活費の半年分」が目安ですが、個人の考えに基づいて安心できる金額を用意するとよいでしょう。
たとえば、収入が途絶えたときのリスクが大きいフリーランスや自営業の場合、ゆとりを持って1年分の生活費を準備しておくと安心です。
■ライフイベント資金
ライフイベント資金は、今すぐには使わないものの概ね10年以内に使うことを想定するお金です。
自分自身や家族のライフイベントをもとに考えてみましょう。
「その時」に目減りしていては困るので、増えなくても減らさないよう定期預金などで確保しておくことをおすすめします。
生活防衛資金とは別に用意しておきます。
主なライフイベントの例は以下のとおりです。
■ 出産資金
■ 住宅購入の頭金
■ 家電の買い替え費
■ 車の購入・維持費
■ 親の介護費用
■ 子供の教育費
■余剰資金
貯金から「生活防衛資金」と「ライフイベント資金」を差し引いて残った資金が余剰資金(10年以上使う予定がない資金)となります。
しばらく使うことがないお金であれば、投資によって、たとえ損失が生じても、基本的に日々の生活に影響を及ぼす心配はありません。
投資を始める前には、余剰資金のなかで、投資に回せるお金がどのくらいあるのか必ず算出しておきましょう。
貯金1,000万円の資産運用におすすめの金融商品
では、実際に投資初心者が投資をする際には、どのような商品を選べばいいのでしょうか。
■1:投資信託
投資信託は、株式や債券、不動産など複数の金融商品の詰め合わせのような商品です。
多くの投資家から資金を集め、投資のプロであるファンドマネージャーが運用し、投資金額に応じて利益を得られる仕組みです。
投資信託では、複数の国や商品に「分散投資」することで投資におけるリスクを軽減できることがメリットです。
また、ファンドマネージャーが運用してくれるため、投資の知識やスキルが十分でない方でも始めやすい投資方法と言えます。
なお、投資信託には信託報酬や販売手数料が発生します。少しでもコストを抑えるためには、ネット証券を活用するのがおすすめです。
■2:株式投資
株式投資は企業が発行している株式を購入し、保有することで配当金や株主優待を受ける、または購入時よりも高く売却することで利益を得られる投資です。
企業によっては株主優待も受け取れますし、株価の上昇によっては大きな利益を得られる可能性があります。
ただし値動きが激しく、大きな損失を出すリスクがある点には注意が必要です。
ある程度投資に関する知識を学んでから挑戦してみるとよいでしょう。
特定の企業に投資したい方や配当金、株主優待を受け取りたいと考える方にはおすすめです。
株式投資について詳しく知りたい方は『株式投資を始める前に知っておきたい5つのこと』も合わせてご覧ください。
貯金1,000万円の方が資産運用する際の2つのポイント
投資を始める際には、リスク分散や非課税制度などのポイントを抑えておくことが大切です。以下2点のポイントについて解説します。
■分散投資
1つ目のポイントは、分散投資です。
投資商品には価格変動があり、元本割れするリスクがあります。そのため、分散投資によってリスクを抑えて安定したリターンを目指すことが大切です。
分散投資には、以下のような考え方があります。
- 資産の分散:1つの商品だけでなく、複数の商品に分散して投資する
- 地域の分散:国内と海外、先進国と新興国のように投資地域を分散する
- 時間の分散:1度にまとめてではなく、購入時期を分散させる
上記のような分散を考慮しつつ、損失を最低限に抑えるようにしましょう。
■iDeCoやNISAなどの非課税制度を活用する
2つ目のポイントは、「制度」の活用です。投資で得た利益には通常、「20.315%」の税金がかかりますが、NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用することで、節税効果が期待できます。
NISAは年間360万円まで、生涯で1,800万円までの運用益が非課税となる制度です。
一方、私的年金制度の一つであるiDeCoでは、運用益が非課税になるだけでなく、掛金拠出時の所得控除、受取り時の控除といった効果もあります。
iDeCoについて詳しく知りたい方は『iDeCoの口座どこで開いたらいい?』もあわせてご覧ください。
NISA口座の開設をお考えの方は『新NISAを始めたい人必見!NISA口座ってどうやって開設するの?』もあわせてご覧ください。
まとめ
今回は、貯金1,000万円からの投資に関して解説しました。
投資に回す金額を決める際には、なんとなく決めるのではなく「生活防衛資金」「ライフイベント資金」「余剰資金」のように資産を分けて考えることが大切です。
また、投資にはリスクがつきものです。
リスク分散の考え方や非課税制度などを活用して、損失を最小限に抑えることもあわせて考えましょう。