ワクワク家妻と凛ちゃんの会話
ジュニアNISAやってる?
もうすぐ終わってしまうって聞いたからやってないの。
投資はできなくなるけど、運用はできるわよ。
どういうこと?1年だけでもやった方がいいの?
ジュニアNISAは、2023年末での廃止が決まっています。これまでに買い付けた金融商品はどうなるのでしょうか?子どもが2024年以降も未成年の場合に適用されるしくみや、メリット・デメリットについて確認していきましょう。
ジュニアNISA廃止後も非課税口座の金融商品は18歳まで保有可能
ジュニアNISAは、2024年1月にスタートする新しいNISAの制度には盛り込まれませんでした。そのため、2024年以降は非課税枠での新規投資ができません。ただし、2023年12月末までに買い付けた投資信託や株式等の金融商品は、2024年以降も18歳まで非課税で保有できます。
■非課税期間終了時に18歳未満の場合
移管(ロールオーバー)専用の「継続管理勘定」へ自動的に移管され、18歳まで保有できます。
2024年以降のジュニアNISAの変更点
2023年末の廃止にともない、2024年以降のジュニアNISA口座は、以下のとおり制度の一部が変更されます。
- 2024年以降は、いつでも引き出し可能
ジュニアNISAは、子どもの将来のための資産形成を目的とする制度です。そのため、現行制度では、子どもが18歳(3月31日で18歳である歳の前年12月31日)になるまでは、原則として、ジュニアNISA口座からの金融商品や金銭の払い出しはできません。2024年以降は、年齢にかかわらず非課税で払出しが可能になります。ただし、一部を払い出すことはできず、すべて払い出したうえで、ジュニアNISA口座を閉鎖する必要があります。
- 5年間の非課税期間終了後の移管(ロールオーバー)の手続きは不要
現行の制度では、5年間の非課税期間終了後も引き続き非課税で運用するためには、新たな非課税枠に商品を移管(ロールオーバー)する手続きが必要です。2024年以降は、新規の投資ができないことから、非課税期間終了後は、自動的に「継続管理勘定」に移管され、18歳(1月1日において18歳である年の前年12月31日までの間)まで非課税措置を受けられます。
- ジュニアNISAの金融商品は、18歳になっても新NISA口座への移管(ロールオーバー)ができない
現行の制度では、ジュニアNISAの口座名義人が18歳となり翌年1月1日を迎えると、自動的に一般NISA口座が開設されます。2023年 (2018年買付分) までは、一般NISAへの移管(ロールオーバー)が可能ですが、2024年 (2019年買付分) 以降は、新NISAへの移管(ロールオーバー)はできません。ジュニアNISA預かりの金融商品は、非課税期間終了までは18歳以降もジュニアNISAで引き続き保有し、非課税期間終了時の精算により、特定口座(課税口座)や一般口座に移管します。もちろん、非課税期間終了を待たずに引き出すことも可能です。
ジュニアNISA口座の2024年以降のメリットやデメリットは?
子どもが未成年で、ジュニアNISAで保有している資産がある場合、2024年以降はどのようにしたらよいのでしょうか。今後のジュニアNISAのメリットやデメリットについて、新しいNISAも交えて検討しましょう。
■メリット
・未成年が投資による非課税措置を受けられる唯一のしくみである。
・新しいNISAとは別に非課税枠を確保でき、家族全体でみると非課税枠の拡大となる。
・ジュニアNISA預かりの金融商品や金銭は、いつでも引き出せる。(上記の変更点1.)
・子どもが18歳になったら、非課税期間中であっても新NISAをはじめられる。
(ジュニアNISAの非課税枠とは別に、新NISA口座の開設が可能。)
・非課税期間終了後の移管(ロールオーバー)手続きが不要である。(上記の変更点2.)
■デメリット
・2024年以降、非課税での新規投資ができない。
・ジュニアNISAから新NISAへの移管ができない。(上記の変更点3.)
・国内居住要件があり、海外留学や親の転勤などで非居住者となると継続できない。
(一般NISAや新NISAは、手続きにより最長5年までNISA口座での保有が可能。)
・ジュニアNISA口座での損失があっても、税制上の損益通算ができない。
(すべてのNISA共通。譲渡は全て非課税のため、損失も税制上は損失とみなされない。)
まとめ
ジュニアNISAは、2023年末で廃止となりますが、それまでに買い付けた金融商品は、5年の非課税期間終了時、または非課税終了後18歳まで非課税で保有できます。
2024年以降の変更により、いつでも払い出し可能となるため、特段の事情がなければ、ジュニアNISAで保有を続けて様子をみるのが無難といえるでしょう。
ただし、投資信託や株式に元本の保証はなく、投資信託の場合は信託報酬などの保有コストがかかり続けるため、非課税期間の満了時や18歳になった時点で利益が出るとは限りません。決して放置せず、相場を確認しつつ、利益の出るタイミングで売却することが理想的です。
子どもが未成年の場合は、親のNISA枠を利用するのも選択肢です。新NISAは、従来のNISAに比べて、年間投資枠・非課税保有限度額ともに拡大し、枠の再利用も可能なため、制度を柔軟に活用することができます。