教育訓練給付金を受け取るまでの流れを教えて

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教育訓練給付金ってどうやって受け取るんだろう?

教育訓練の種類によって受け取りまでの流れが変わるんだよ。

 

教育訓練給付金は、国による在職中や失業中の人に対するスキルアップ支援の制度です。一定期間、雇用保険に加入している人が対象講座を受講・終了すれば受給できるのですが、制度や申請手順を知らない方も多いようです。今回は教育訓練給付金の受給条件、受け取りまでの手順、申請するときの注意点を解説します。

 

教育訓練給付制度とは

 

教育訓練給付制度は、働く人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とした国の制度です。一定の受給要件を満たす人が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した際に、受講費用の一部を給付金として受け取ることができます。

 

対象となる講座は、約1万4000講座(厚生労働省2022年)にのぼり、オンライン講座や夜間・土日に受講できる講座もあり、離職中の方だけでなく、働きながら受講できることも魅力です。語学やPCスキルの習得のほか士業・専門資格の取得など幅広く、レベル等に応じて、給付金は3種類に分類されており、給付率はそれぞれ異なります。

 

教育訓練給付金の受給条件は?

 

給付金の財源は、在職時に加入していた雇用保険料が充てられるため、教育訓練給付金を受給するには、雇用保険の加入期間や年齢など条件を満たす必要があります。在職中と離職中の方が初めて受給する場合の条件は、それぞれ以下の通りです。

 

【在職中の方】

・雇用保険の加入期間が通算1年以上ある(専門実践教育訓練では通算2年以上)

【離職中の方】

・離職日の翌日から受講開始日が1年以内である

・離職前に1年以上雇用保険に加入している

 

2回目以降の給付については、前回の受講開始日以降、雇用保険の加入期間が3年以上なければなりません。また、2014年10月以降に教育訓練給付金を受給している場合は、前回の支給日から受講開始日まで3年以上経過している必要があります。

 

上記の要件を満たしていれば、パートやアルバイト、派遣社員でも対象です。なお、「専門実践教育訓練」は、中長期的なキャリア育成の支援を目的としているため、受講開始時に45歳未満であることが条件となります。

 

教育訓練給付金の受け取りまでの流れ

 

教育訓練給付金の受給にあたって、申請から受け取るまでの流れは、訓練の種類ごとに異なります。

 

■一般教育訓練給付金

  1. 厚生労働大臣の指定を受けている講座を受講・修了する
  2. 管轄のハローワークへ申請する
  3. 給付金が支給される

 

加入要件等の受給資格をご自身で確認したうえで対象講座を受講し、修了後に申請します。講座料(授業料等)を支払った際の「領収証」および教育訓練の受講修了時に指定教育実施者が配布する「教育訓練給付金支給申請証」「修了証」はハローワークに提出する必要がありますので、紛失しないよう注意しましょう。ハローワークへの申請後、1週間程度で指定口座へ給付されます。

 

■特定一般教育訓練給付金

  1. 原則受講開始日の1ヵ月前までに、訓練対応キャリアコンサルタントによるコンサルティングを受ける(どのハローワークでも可)→ジョブカードの作成
  1. お住まいを管轄するハローワークにて受給資格を確認し、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」、ジョブカード、本人確認書類等を提出する。→ハローワークより「教育訓練給付金の受給資格者証」が交付される
  2. 対象の講座を受講・修了する
  3. 管轄のハローワークへ申請する
  4. 給付金が支給される

 

働く人が資格を身につけて速やかな再就職や転職、早期のキャリア形成に役立てることを目的として、2019年に新たに追加されました。受講前のコンサルティングや申請が、給付の可否に関わる重要な手続きとなりますので、余裕をもって、不備等のないよう進めましょう。

 

■専門実践教育訓練給付金

1. 原則受講開始日の1ヵ月前までに、訓練対応キャリアコンサルタントによるコンサルティングを受ける(どのハローワークでも可)→ジョブカードの作成

2. お住まいを管轄するハローワークにて受給資格を確認し、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」、ジョブカード、本人確認書類等を提出する。→ハローワークより「教育訓練給付金の受給資格者証」が交付される

  1. 対象の講座を受講する
  2. 受講中(6か月ごと)、受講修了後に管轄のハローワークへ給付の申請をする
  1. 給付金が支給される

 

特定一般教育訓練と同様、受講前のコンサルティングや申請が必要です。また、いずれの場合も、領収証や修了証等の書類は紛失しないよう気をつけましょう。

 

専門実践教育訓練は、看護師・調理師・介護福祉士など専門性の高い資格取得講座や大学・大学院での課程修了など時間的にもレベル的にも難易度の高いスキル取得とめざします。そのため、初めて専門実践教育訓練給付金を受給する場合には、離職中など一定要件を満たせば、基本手当の支給が終了した後でも「専門実践教育支援給付金」も受取ることができます(2025年3月31日までの時限措置)。

 

なお、訓練修了後1年以内に目標の資格を取得し、かつ雇用保険の対象となる就業(就職)した場合には、追加受給(受講費用の20%)が可能です。

 

制度を活用してスキルアップ!申請期限にも注意を

 

教育訓練給付金は、国からのバックアップを受けて、キャリアチェンジやスキルアップができる制度です。教育訓練の種類にもよりますが、受講費用の20%から最大70%までの給付金を受け取れます。

 

いままで費用面で諦めていた資格やスキルがある方も、この制度を活用することで、理想のキャリアを実現できる可能性があります。条件を満たしていれば離職中の方だけでなく、在職中の方も受給できるので積極的に活用してみてください。

 

なお、教育訓練給付金の申請は、原則受講修了日から1か月以内と期限があります。申請できない理由が認められれば、2年間の時効期間の間なら申請が可能ですが、ご自身の修了日と期限を確認し、忘れずに申請しましょう。