うちの住宅ローンの金利が下がっていないのはなぜ?

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ワクワク家 兄夫婦の会話

先日住宅購入したと友達が変動金利で住宅ローンを借りたけど、うちよりもずっと金利が低かったの。変動金利の金利が下がっているからだっていうんだけど、うちの金利変わってないよね?

そもそも変動金利の金利っていつどういうタイミングでわかるんだ?

うちの金利は変わらないのか、銀行で聞いてみようかしら?

 

マイホーム購入にあたり、住宅ローンの金利タイプを選ぶ際には多くの人が悩むようです。

考え方として、将来的に金利が上昇することを予測するならば、現在の低い金利が続く固定金利を選びます。一方、金利は下降もしくは横ばいと考えるのであれば、変動金利を選ぶことで、利息の支払いを抑えることが可能です。つまり、借入れ元本に利息をふくめた住宅ローンの総返済額は、金利の差に大きく影響することになります。毎月発表される金融機関の低い変動金利の利率は、借り手にとって魅力的です。ただし、すでに変動金利で借りている場合、下がっている実感がないと疑問を感じている方も多いようです。ここでは、住宅ローンの変動金利の仕組みについて解説していきます。

 

住宅ローンの変動金利って何で決まる?

 

住宅ローンの変動金利はどのように決まっているのでしょうか。

一般的に、基準金利から優遇金利を控除した金利となります。

基準金利2.475%、優遇金利2%の場合、適用される金利は0.475%です。

 

■基準金利

金融機関によって店頭金利、店頭表示金利とも呼ばれ、「短期プライムレート」を元に決められています。

短期プライムレートとは、金融機関が企業に貸し出しをする際の金利です。取引実績のある信頼できる企業であれば、返済能力が保証されるため低金利での融資が可能ですが、住宅ローンは、個人向けの融資であるため、短期プライムレートに上乗せした金利が設定されます。多くの金融機関では、上乗せ1%として基準金利を設定しているのが現状です。

 

■優遇金利

割引金利とも呼ばれ、契約者ごとに一定の条件や審査などを通じて割引される金利です。

この優遇金利は、基準金利が変動しても変わりません。優遇期間は、完済まで継続する場合や当初○年間など期限が決められている場合などがあります。

 

よく金融機関によって金利が異なるため、比較検討したほうが良いと言われますが、実際は、借りる人によって異なるという方が正確かもしれません。

一定の条件については、各金融機関の「住宅ローン金利情報」などに記載されていることが多いため、確認するとよいでしょう。

 

変動金利が下がっても金利が下がらない人はどんな人

 

基準金利は、毎月見直すことになっていますが、長引く不況と低金利政策のもと、2009年1月以降1.475%(最頻値)と変化は見られません。

 

そうは言っても、「新規住宅ローンの変動金利が史上最低金利を更新」などと言ったニュースや情報を見た記憶はありませんか。

じつは、下がっていたのは優遇金利なのです。新規住宅ローンの顧客獲得を目的としたキャンペーンなど企業戦略の一環と言えます。この優遇金利は、その月に新規で住宅ローンを借りた人のみに適用されます。

 

そのため、すでに借りている人は基準金利が下がらない限り、適用金利は下がりません。

一方で、優遇期間が満了となった場合には、適用金利が上がり、返済額が増えることも考えられます。

 

金利が上がったらいつから対応されるの?

 

もし、基準金利が上がった場合、新規借入れに対する適用金利が上がると同時に、すでに契約している方の適用金利も上昇します。

ただし、毎月の返済額は、すぐには増えません。住宅ローンの変動金利には、原則として、5年間は返済金額が変わらないという「5年ルール」が適用されるためです。また、5年経過後の金利見直し時には、従来の返済額の125%を超えないなど上限が設定されます(例外的に適用しない金融機関もありますので、注意が必要です)。

これは、急激な変動により返済が難しくなり、破綻することを避けるためです。

もっとも、利息の上乗せ分を払わなくてよいのではなく、当初の借入れ期間が終了しても、未払い利息があれば、継続して返済する必要があります。

 

まとめ

 

住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートをもとに金融機関が設定した「基準金利」と、一定の条件や審査などによって設定される「優遇金利」によって返済する適用金利が決まっています。これまで基準金利に大きな変動はなく、優遇金利を低く設定することで史上最低とも言われる金利が続く傾向にありました。基準金利の下がる要因が少ない現状において、月々の返済額がこれ以上下がることは想定しづらいとも言えます。とは言え、固定金利と比較すると、低い金利が維持できていますので、現状のままとするのか、不安な日々を送るよりも固定金利への切り替えを検討するのか、自分なりの目安を考えておきたいものです。