住宅ローンのボーナス払いはあり?なし?

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ワクワク家 夫婦の会話

住宅ローンを組むことになったらボーナス払いはありとなしどっちがいいのかな?

僕は返済金額が変わらない毎月払いだけの方がいいかな。

ボーナスの金額もそのときにならないとわからないから、不安はあるね。

 

住宅購入におけるステップのなかで、「どう住宅ローンを組むか」については、みなさん悩まれるようです。とくに、「ボーナス払い」に対する相談を受けるケースは多くあります。

月々の返済額の負担を抑えてボーナスで返済するのか、毎月均等に返済していくのか、いずれにしても無理のない返済計画をたてたいものです。事例をもとに考えてみましょう。

 

毎月の返済額を抑えられるのはメリット?

 

物件価格から諸費用や頭金を考慮した残額を「借りる金額」とします。この金額から住宅ローンについて検討することになる訳ですが、「固定金利か変動金利か」「どこの金融機関を利用するか」「上乗せ金利を払ってでも医療保障付きの団信にするか」など悩みは尽きません。その中で、「どのように返済していくか」は、今後に与える影響も大きいため、慎重に検討したいですね。

 

多くの金融機関では、「ボーナス払い」併用での返済方法を選択することが可能です。月々の返済に加えて、6ヵ月ごとに返済額を増額して支払います。借入額からの金利を計算することにより「年間返済額」が決定することになりますが、12ヵ月で割った月返済額よりも、ボーナス払いを併用した場合の方が、月々の返済額は低く抑えられます。

 

ボーナスをあてにすると…

 

ボーナス(賞与) とは、労働基準法によれば、「定期又は臨時に労働者の勤務成績、経営状態等に応じて支給され、その額があらかじめ確定されていないもの」であり、雇用契約書や就業規則等で明確に固定されている場合以外には、企業は不支給としても問題ないとされています。つまり、あてにしていたボーナスが支給されない、金額が少ないこともあり得るのです。

 

新型コロナウイルスにより業績に影響が出ている業界や雇用を守ることが精一杯という企業も多くみられる現状です。日々の家計においても少なからず変化があることを考えると、不確定要素の多い収入であるボーナスをローン返済に充てるのは、リスクとなる可能性が大きいといえます。なんといっても、住宅ローンは長期間にわたるため、さまざまなリスクは考慮しておきたいものです。

 

 

注意!ボーナス払いで借入額が増やせるというワナ

 

基本は、借入額を決めてから、返済方法を考えるステップですが、気に入った物件の価格が高く、購入について悩む際に、月々の返済額にボーナス返済分を上乗せして借入額を増やすというケースが散見されます。

 

例えば、現在の賃貸家賃が10万円のAさんにとって、9万8800円の月返済額で3500万円の借入額であれば無理のない返済といえます(上図参照)。気に入った物件を購入するために、ボーナス時に約17万円を見込むと、単純計算で1000万円上乗せされ4500万円借り入れることが可能となります。(収入などから判断される借入可能額については考慮していません。)

 

住宅購入にあたっては、日頃の金銭感覚がなくなりがちです。「なんとかなりそうな気がする」という根拠のない判断は、住宅ローン破たんへのリスク、後悔に繋がる可能性があるため、くれぐれも注意が必要です。

 

まとめ:無理のない返済計画がポイント

 

住宅ローンの返済方法として、ボーナス払いの併用はおすすめしません。ただし、ボーナスの中から、繰り上げ返済資金として予算を確保し貯蓄することは有効です。当初の契約よりも早期に完済することを視野に入れつつ、ライフスタイルの変化や予測していなかった社会情勢や経済状況では緊急予備資金として活用することも可能です。

収入状況や家計管理、そして価値観は、さまざまですので一概には言えませんが、何よりも、自分たちにとって、無理のない資金計画を立てたいですね。