これからの住まい「購入」と「賃貸」どっちがいい?

住宅

ワクワク家 夫婦の会話

私は将来マイホームが欲しいと思っているけど、賃貸の方がいいっていう人もいるのよね。

マイホームに対する考えは人それぞれで何を大切にしたいかじゃないかな?

住宅にかかるお金で考える人もいれば、居場所で考える人もいると思うよ。

 

「住宅・教育・老後資金」といわれる人生の三大資金。このうち「住宅」については、多くの方が、購入するのか、賃貸を続けるのか迷われるようです。価値観はそれぞれであるため、正解はありません。とはいうものの、今後を考えるヒントとして、購入派と賃貸派、それぞれの声をまとめてみました。ご自身の価値観がどちらに近いのか参考にしてみてください。

 

「やっぱり持ち家!落ち着ける「わが家」に帰宅する満足感」~購入派の声

 

住宅ローンという借金を背負うことに抵抗ありましたが、「持ち家」にこだわりました。疲れて帰っても自分の居場所があることに安心と満足感があります。自分にもしものことがあった場合でも、団信(団体信用生命保険)でローン負担はなくなるので、家族がそのまま住み続けることができます。そういった意味で、リスク対策としても有効です。また、計画的なローン返済で、将来は、基本的に管理費と固定資産税等の負担だけで過ごせるため、退職後の家計収支も余裕ある生活ができると思っています。

 

「ライフスタイルに合わせた拠点づくりが魅力!!」~賃貸派の声

 

不動産という資産を持つよりも、金融資産を持つことでさまざまな場面で選択肢が広がります。何よりも、仕事や生活スタイルにあわせて、自由に拠点選びができます。憧れのエリアでの生活や子どもの通学にあわせた沿線、隣人が気に入らない場合など気軽に引っ越せることも魅力です。

金利の変動や税金を気にせず、月々の家賃(管理費込み)という支出を考えればよいため、家計収支は把握しやすく、一定額を貯蓄にまわすことで、着々と資産形成ができています。

 

お金の面から考えると、どっちがお得なの?

 

従来は、「人生のモデルプラン」として、結婚→出産→住宅購入→子育て(教育資金)→定年(退職金)→老後(年金生活)という流れや考え方が主流でした。しかしながら、時代とともに、生き方も多様化してきました。転職や起業も選択肢ですし、「住まい方」にもさまざまな選択肢があります。

 

参考までに、36歳男性のケースで81歳(2019年 男性の平均寿命81.41歳)までの45年間にかかる金額を単純計算で考えてみましょう。

◇賃貸の場合

月家賃15万円でずっと住み続けた場合 15万円×12ヵ月×45年間=8100万円

 

◇35年間の住宅ローン(月返済額12万円)を組み、管理費その他費用が継続した場合

                住宅ローン 12万円×12ヵ月×35年間=5040万円

                管理費その他 年間36万円×45年間=1620万円 計6660万円

 

当然ながら、物件価格や管理費、家賃など諸条件により異なります。賃貸の場合には、生活スタイルによって引っ越すことを考えると、同じ家賃負担は現実的ではないかもしれません。そういった意味からも、どちらが得という観点ではなく、どのようにお金をコントロールするか、という観点で考えることが重要です。何よりも、人生100年時代といわれるなか、期間の設定が難しいことは考慮しておきたいところですね。

 

どちらかに決める必要あるのかな?

 

さらに、価値観は変化する、という点も押さえておきたいところです。どちらか一方に決める必要もないかもしれません。以下のような事例もあります。

 

Aさんの場合

40代で住宅購入。65歳のリタイア時にローン残債も完済し、念願の庭いじり生活を満喫。80歳を超え、免許の返納を考えると同時に、自宅を売却し、元気なうちに夫婦2人で駅近の高齢者住宅への転居を決意。駅から近く、買い物にも便利。どちらか1人になっても介護になっても安心の生活を手に入れることができました。

 

Bさんの場合

現役時代は、勤務先に近いマンションで賃貸暮らし。残業や飲み会でも電車の最終時刻を気にするストレスがないことが魅力でした。リタイア後は、これまでの忙しい毎日から解放され、海を眺めながらのんびり暮らせる住宅を購入しました。

 

AさんもBさんも、それぞれの思いのもと、自分らしい人生を選びました。いずれにしても、将来についての資金計画ができていてこそ、です。

自宅の売却にあたっては、「売れる物件」であることが条件となりますので、エリアや築年数などを購入時から視野に入れておきたいですね。また、高齢者住宅についても、初期費用や維持費用など早い段階でリサーチしておく必要があります。

 

また、定年後の住宅購入については、ローンを組むことが現実的でないため、購入資金についての計画的な資産形成がポイントです。

 

まとめ

 

冒頭にもお伝えしたとおり、「住まい方」に正解はありません。どちらかに決める必要もないでしょう。しかしながら、人生において、大きな割合を占める「住宅費用」です。10年、20年、50年後など長期的視野で考えてみてください。

ご自身の価値観とともに、実現するための資金計画についても検討することをおすすめします。