大学受験、スカラシップ入試って?

子どものお金

最近は大学入試にスカラシップ入試っていうのがあるらしいよ。

聞いたことないわよね。

成績が優秀だと、学費が援助されるらしい。
スカラシップ入試で進学できれば家計が助かるね。

 

 

高校卒業後、大学への進学を希望しているものの、経済的に不安を感じているご家庭は決して少なくありません。
ひとつの選択肢として検討してほしいのが「スカラシップ入試」です。
「スカラシップ=奨学生」という名前のように、成績が優秀な学生であれば、学費の全部または一部の免除など、経済的な支援が受けられます。
今回の記事では、スカラシップ入試の詳しい内容やメリット・注意点について詳しく解説します。

 

 

スカラシップ入試とは成績優秀な学生を選抜する入試制度

 

スカラシップ入試を一言でまとめると、成績優秀な学生を選抜するために、大学が独自に行う入試制度の一種です。
そのため、選考基準は各大学で異なります。
また、スカラシップ入試の合格者は、給付型の奨学金を受け取ることができます。
日本学生支援機構が運営する奨学金とは違い、貸与型ではないため返済の義務もありません。

 

 

ここで、スカラシップ入試を実施している大学をいくつか紹介します。

 

〈専修大学〉
「スカラシップ入学試験」と称し、英語・国語・選択科目の3教科で試験を実施。
成績優秀者に対し4年間の授業料・施設費(合計約400万円、2023年度経済・法学部の場合)を免除。

 

〈玉川大学〉
大学入学共通テストの成績優秀者に対し、学費等納付金を国公立大学の授業料と同額の53万5,800円とする。
適用期間は最大4年間で、入学後は学期ごとに給付継続の可否の審査を行う。
なお、入学金・特別プログラム費用・諸費は納付が必要で、国公立大学の授業料が変動した場合はそれに応じて納付金の額も変動する。

 

〈神奈川大学〉
「給費生入試」と称し、一般入試とは別に給費生試験を実施。
給費生として入学すると、入学金相当額および学費(最大4年分)を給付。
自宅外通学者に対しては年間70万円(最大4年分)も給付するため、最大で880万円の給付が受け取れる。
なお、毎年継続審査を行い、給費生資格を満たしているかを確認。

 

また、スカラシップ入試を行わず、一般入試の成績上位者で、事前に奨学金の利用を申請した学生に対し給付するシステムを取り入れている大学もあります。

例えば、立教大学「自由の学府奨学金」では、一般入試など所定の入試区分で受験するなど条件を満たした学生に対し、年間50万円(理学部は70万円)を奨学金として支給するシステムです。

 

 

スカラシップ入試のメリット

 

スカラシップ入試の最大のメリットは、学費の一部または全額が免除されることです。

給付型の奨学金を前提にした制度であるため、卒業後に返済する必要がありません。

 

通う学校や学科によりますが、大学に進学し、4年間で卒業するためには数百万円単位でお金がかかります。
例えば、私立大学文系学部では、4年間で360万円~400万円程度が目安と言われています。
家庭の経済状況によっては、大学費用はかなりの負担となるため、軽減策のひとつとしてスカラシップ入試は有効です。

 

また、スカラシップ入試を利用して入学し、4年間奨学金を受け取るためには、一定の成績を保持する必要があります。
そのため、就職活動をする際も、成績優秀者であることのアピールに活用可能です。

 

さらに、大学によってはスカラシップ入試を一般入試より先に実施することがあります。
合格すれば早い段階で進路が決まり、残りの高校生活をゆったり過ごせるのもメリットといえるでしょう。

 

 

スカラシップ入試を利用する際の注意点

 

一方、スカラシップ入試を受験するにあたっては、注意すべき点もあります。

 

まず、すべての大学でスカラシップ入試が実施されているわけではありません。
前述した立教大学のように、スカラシップ入試として独立した入試を実施していない大学もあります。
いずれにしても、成績優秀者を対象とした優遇制度を設けている大学は多いため、学費を抑える手段として検討しましょう。
加えて「大学入学共通テストの受験が必須」など、独特の条件を設けているパターンもあります。
志望する大学での扱いはどうなっているかを確認しておきましょう。

 

また、基本的に、免除されるのは入学金・学費(授業料)・施設設備費などです。通学費や教科書代、サークル活動費など大学生活にかかる諸費用は負担することになります。
先に紹介した神奈川大学の給費生入試のように、自宅外通学の場合の生活費の一部が支給されるパターンもありますが、ごく少数と考えましょう。

 

そして、無事にスカラシップ入試に合格したとしても、入学後の学業成績によっては奨学金支給が打ち切られることがあります。
卒業まで一定水準以上の成績を維持する必要があるため気を抜かずに勉学に励みましょう。

 

 

まとめ

 

経済的理由で、学力に不足はないのに大学進学を断念するのはもったいないです。

今回紹介したスカラシップ入試以外にも、高等教育の修学支援新制度や日本学生支援機構の奨学金、医学部の地方枠入試など学費負担を抑える手段は多くあります。

早い段階で高校の進路指導室で相談し、利用できそうな制度と進学先の候補とする大学について下調べをしておきましょう。