“サッカー選手”への道、応援したい親の気持ちと経済的負担はどれくらい?

子どものお金

ワクワク家妻とワクワク家兄妻の会話

最近子どもがサッカー選手になりたいっていっているの。

世界で活躍する選手になるといいわね。

小さい頃からクラブに入って練習するって聞いたけど、お金がどのくらいかかるのか心配なのよね。

子どもも夢は応援したいわよね。どのくらいかかるのか先輩ママに聞いてみるとか、ネットで調べてみたら?

 

小学生の「将来なりたい職業ランキング」において、上位の常連ともいえるのがサッカー選手です。「将来は、自分も〇〇選手のようになりたい」と練習に励むお子さんもきっとたくさんいるでしょう。本気でプロサッカー選手を目指すとなると、親としては子どもの夢を応援したいものの、進路や経済的な負担が気になるところです。

実際のところ、プロサッカー選手としてクラブチームに入団を果たすまでの過ごし方はさまざまです。参考までに、モデルプランをもとに大体の額を計算してみました。

 

モデルケース1:Jリーグチーム(クラブチーム)の下部組織からプロを目指す

 

小学校:地元のJリーグチームが運営するサッカースクールを経てジュニアチーム所属

中学校:同じJリーグチームが運営するジュニアユースチーム所属

高等学校:地元(埼玉県)の公立高校に通いながらJリーグチームのユースチーム所属

卒業後、Jリーグチームとのプロ契約を目指す

 

このパターンの場合にかかる費用(参考)

 

財力あるJリーグチームの下部組織などであれば、ユニフォーム貸与、ソックスやアンダーウェア支給、公式大会遠征費などチーム側が負担してくれるケースもあるようですが、小学校から高校までの12年間で考えると、地元の公立高校への進学でも、合計で700万円近くかかる計算になります。

 

モデルケース2:サッカー少年団、サッカー部でプロを目指す

 

小学校:地元のサッカー少年団に所属

中学校:公立中学校のサッカー部に所属しつつ、地元のサッカースクールにも週1で参加

高校:サッカーの強豪校である公立高校に進学。サッカー部に入部しインターハイ出場

卒業後、Jリーグチームとのプロ契約を目指す

 

このパターンの場合にかかる費用(参考)

 

Jリーグチームの下部組織から目指すよりは低く抑えられそうですが、それでも決して安いとは言えません。

また、県立高校への進学を想定して、入学料と授業料を見込んでいますが、その他にも入学時の制服代や教材費、修学旅行費用など負担を考慮する必要があります。

 

このパターンの変化形として、高校から全寮制の私立サッカー強豪校に行くというパターンも考えられるでしょう。その場合、学費の部分が以下のように変わります。

 

 

親元から離れての寮生活は、仲間と共に同じ目標に向かう団結力や社会の一員としての自立心が育まれ、大きな成長が期待できます。ただ学費に加え、寮費の負担も大きく、実際にはお小遣い等さらなる出費があることも想定しておく必要がありそうです。

 

学校によっては。家庭の経済状況や部活動への貢献度、学業成績に応じ、学費の減免制度や奨学金を設けていることもあります。それらの制度を活用することで負担を抑えられるかもしれません。夢の実現のためには、こうした情報収集も重要なポイントといえます。

 

大学、社会人からJリーグ入りもありうる

 

高校を卒業してすぐにJリーグチームとプロ契約を結べるとは限りません。大学に進学後や卒業後、実業団に所属してから「セレクション」と呼ばれる合同選考会に参加し、プロ入りを目指すことも考えられます。大学に進学する場合はその分の費用もかかると考えましょう。

 

なお、スポーツ推薦で大学に進学する場合、体育学部や教育学部体育選考など、身体能力の高さを活かした学部が進学先になることも多いでしょう。

参考までに、令和3(2021)年度における体育系の学部の学費の平均額は以下の通りでした。

  • 入学金 250,277円
  • 施設設備費 210,443円
  • 授業料 839,357円

出典:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」

 

計算しやすい形にしたうえで、4年間の概算額を求めてみましょう。

 

 

やはり、ある程度まとまった金額が必要になります。これ以外にも、進学先の大学のサッカー部で必要な部費、遠征費などがかかることも理解しておきましょう。

 

まとめ

 

最近では、スペインのレアル・マドリードなど世界的な名門クラブで活躍する日本人選手も珍しくありません。とは言え、Jリーグチームとのプロ契約や日本代表入りできる選手はごく一握りです。憧れの選手を目標に練習に励む子どもの姿をみていると、親として応援したい一方で、経済的負担にどこまで現実として捉えるか悩むところです。

どこかのタイミングで、部活や趣味にとどめるのか、それとも一生の仕事にするのか、お子さん自身が決断することになりますが、それまでは、「子どもが自分の意思でやりたいと言ったことは、できるだけ応援する」というスタンスで見守りたいものです。