不妊治療にかかるお金ともらえるお金

子どものお金

ワクワク家 夫婦の会話

会社の人が、不妊治療をしていたけど助成金が拡大したから助かるって言っていたの。

まだ、保険適用になっていないものもあってお金がかかっていただろうからよかったね。

今後保険適用にも動いているらしくて、子どもを持ちたい人の金銭的負担が少しでも減るといいわね。

 

晩婚化や晩産化が進む中で不妊治療は身近になりました。不妊治療と聞いて、気になるのがお金のことではないでしょうか。治療内容や期間によって、不妊治療の金額は大きく異なります。今回は、不妊治療にはどのくらいかかるのか、治療内容の違いに触れながら見ていきます。

 

不妊治療のステップと金額

 

不妊治療といっても、まずは自然妊娠を目指し、難しいようなら次のステップとして治療をしていく流れになります。

治療内容と各ステップの金額をまとめました。

 

<ステップ>

  • 基本検査

超音波や血液検査を通して、子宮などの身体に異常がないか検査します。

初診日から1〜2ヶ月程度で終わります。

 

  • タイミング療法

超音波で排卵日を予測し、医師に妊娠率の高い時期を指導してもらいながらまずは自然妊娠を目指します。

半年くらいが目安です。

 

  • 人工授精

排卵のタイミングに合わせ、子宮内に人工的に元気な精子を送り込み自然妊娠を目指します。体外受精より妊娠率は低いですが、身体や経済的な負担が少ないため複数回できます。

5回くらいが目安です。

 

  • 体外受精・顕微授精

体外で受精させた受精卵を体内に戻す。自力で受精が難しく、長期にわたる原因不明の不妊症に対してもすすめられる方法。

 

  • 凍結胚融解移植

体外受精させ凍結した受精卵を融解して子宮内に移植する。

 

<金額>

クリニックにより異なりますが、参考までに金額一覧は以下のとおりです。

 

 

保険が適用される基本検査やタイミング法は1万円以下ですが、人工授精などの治療法は保険が適用されません。さらに、交通費やサプリメント、その他誘発剤なども使用するため、すべての治療法を行うとなると200万円程度はかかってきます。

 

不妊治療でもらえるお金

 

200万円貯めないと不妊治療が受けられないかというとそうではありません。

一定の条件を満たした場合、公的医療保険制度の適用外である不妊治療に対し、国の支援として「特定不妊治療費助成事業」があります。

こちらは令和3年1月1日以降に終了した治療から助成内容が大幅に拡充されました。

ここでは特定不妊治療費助成事業について詳しく見ていきます。

 

<特定不妊治療費助成事業>

・所得制限

 なし。所得制限で諦めることなく助成金を受け取ることができます。

 

・助成額

 1回30万円。治療ステージにより金額は異なりますので確認が必要です。

 

・助成回数

 1子ごとに6回まで(39歳以下)、1子ごとに3回まで(40〜42歳)、43歳以上はもらえません。

 助成を受けたのちに出産した場合と妊娠12週以降に死産になった場合はこれまでに受け取った回数がリセットされます。

 

・対象治療

 体外受精と顕微授精のみ。タイミング法や人工授精は助成金の対象外です。

 

・助成金をもらえる人

 初診日に妻の年齢が42歳以下であること

 特定不妊治療以外の治療法では妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師から判断された人

 法律上の婚姻関係にある夫婦か条件を満たした事実婚のカップル

 

・医療機関

 各都道府県から指定された医療機関で受ける必要がありますので、各自治体のホームページで確認する必要があります。

 

 

国の助成制度の条件に該当しなくても、実施する自治体独自の助成制度がある場合もあります。

その場合、体外受精と顕微授精以外でも助成金を受け取れる可能性がありますので、各自治体ホームページなどを確認してみるとよいでしょう。

 

まだまだ、不妊治療に対する経済的負担は大きいのが現状ですが、国としての不妊治療等への支援の取り組みは、費用に対する助成とともに、2022年4月からの公的医療保険制度の対象化に向け、具体的に進められています。治療の回数など詳細については今後の発表に期待したいところです。

 

まとめ

 

不妊治療が必要かどうかは、子どもを産むタイミングにならないとわかりません。

もし治療が必要となった場合に備えて200万円は用意しておくと安心です。また、国の助成金制度や各自治体独自の助成金制度もありますので、うまく制度を活用しながら治療を受けていくと良いでしょう。