初めて住宅を購入するときは住宅ローンが借りられるのか心配する人もいることでしょう。金融機関によって住宅ローンの審査内容は異なりますが、審査の前にこれだけは気を付けておきたい3つのポイントをお伝えします。
住宅ローンの審査の流れ
住宅ローンの審査には2段階あり、初めは返済比率などで仮審査をします。仮審査にかかる日数は金融機関によって異なりますが早ければ2.3日で結果が出ることもありますが、概ね1週間くらいで結果がわかります。
返済比率とは、収入に占める住宅ローンの返済割合のことで、当然返済割合が少ない方が安全だと考えます。例えば、年収500万円の人で考えると、1年間の返済額が100万円だと返済比率20%、150万円だと30%になります。
仮審査が通ると、今度は本格的な審査に入ります。仮審査と違い本審査は物件の売買契約書を交わし、住民票などの本人確認書類なども添えて申し込みます。
本審査は本当に返済ができるのかを審査するため数多くのことで判断されます。たとえば、会社員であれば勤務年収や年収、その他の借入金やクレジットカードなどの返済履歴などの個人の信用情報も対象になります。本審査は審査する項目も多いため2週間程度かかる場合もあります。
本審査の必要書類
・源泉徴収票
・課税証明書
・登記簿謄本
・売買契約書
・重要事項説明書
・物件の資料
・印鑑証明
・住民票
・本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
などを準備しておきましょう。
住宅ローンに通らないのはなぜ
住宅ローンが通らない、審査に落ちたという話も聞きます。しかし、落ちた理由は金融機関から教えてもらうことはできません。ではいったいどういったときに審査が通らない、落ちてしまうということが起こるのかを考えてみましょう。
本審査で重要なのが個人の信用情報です。個人の信用情報とはクレジットの支払いだけとは限りません。税金の滞納や携帯電話の料金も含まれます。携帯電話本体を分割で購入している場合は、個別割賦販売契約となり5年間は指定信用情報機関に記録が残ります。つまり、通話料だけが未払なのと、割賦契約の支払いの滞納では大きな違いがあるということです。支払いが少しくらい遅れても良いだろうと思っていると、滞納情報は信用情報期間に履歴として記録されてしまうのです。他にも、クレジットカードやキャッシングなどの未払いも同じく記録されます。
つまり住宅ローンの審査に通らなかったり、落ちたりするのは個人の信用情報に何かしらの問題があることが多いのです。
審査を通りやすくするために気を付ける3つのポイント
では、その審査を通りやすくするためにはどんなことをしておけば良いのか3つのポイントを解説します。
ポイント1 自分の個人信用情報は事前に確認しておく
信用情報は金融機関だけが確認できるわけではなく、自分でも確認することができます。
たとえば、指定信用情報機関のC I Cではパソコンやスマートフォンを使って自分の信用情報が開示できます。インターネットで請求する場合は、手数料1,000円をクレジットカードで支払う必要があります。現在指定情報機関は割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関(CIC)・日本信用情報機構(JICC)・全国銀行協会(KSC)の3つがあります。
ポイント2 借り入れはできる限り返済しておく
クレジットのキャッシングやカードローンなどは信用情報に記録されています。例え延滞履歴がなかったとしても、その残金もローンの返済比率に含んで考えられてしまいますので心配のようであれば先に返済しておくなどしておいた方が良いでしょう。
ポイント3 団体信用生命保険に加入できること
ほとんどの金融機関は団体信用生命保険に加入できることを条件としています。団体信用生命保険とは、ローンの契約者が死亡したときや高度障害になったとき、金融機関に保険金が支払われ、契約者の家族は支払いがなくなる保険です。加えて最近ではがんと診断されれば保険金が支払われる保険もあります。つまり保険に加入することを条件としているので、健康状態に問題があると住宅ローンそのものを借りることができなくなってしまいます。しかし、日頃から健康に気を付けるなどしていれば問題はありません。
住宅ローンの審査は金融機関によって異なります。一般的にはネット銀行の方が厳しく、信用金庫などの方が審査基準が緩和されている傾向もあるようです。しかし、あくまでも個人によるものなので情報を鵜呑みにせず対策をして審査に臨みましょう。もし、審査に落ちてしまったとしても、他の金融機関では通る場合もありますので、諦めず専門家などに相談してみると良いでしょう。
☆この記事を書いたのは...
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黒須かおり ファイナンシャル・プランナー CFP® FPラポール株式会社代表取締役
一生涯を見守るFPとして、女性を中心に将来に向けての働き方、資産形成、資産運用などmoneyとキャリアのコンサルティングを行う。 延べ3,000人が参加したマネーセミナーでの講師や、企業研修、国や行政などでのセミナー講師なども務める。30代40代女性やファミリーなどを中心に個別相談をおこなうかたわら金融機関でのお客様の資産運用アドバイザーとしても活動経験あり。年間50本以上メディアへの執筆も行う。 |