注文住宅を建築予定。つなぎ融資ってなに?

家計/ライフスタイル住宅

会社の人が注文住宅を建てるらしくて、つなぎ融資が必要だと言っていたんだ。

通常の融資とは違うの?

どうやら、土地を買ってから建物を建てるのでその間に必要らしい。

うちも住宅購入検討しているから詳しく聞いてみて。

自分たちの理想とする間取り、内装の家を手に入れるためには、注文住宅も1つの選択肢です。
ただし、注文住宅を建てる場合、建売住宅を購入する場合とは異なり、完成前に資金を用意しなくてはいけないことがあります。
このようなケースには「つなぎ融資」が利用できるので、自己資金だけでの購入が難しい場合は検討してみましょう。
今回の記事ではつなぎ融資のメリット・デメリット、利用する際の流れなどを解説します。

 

 

つなぎ融資とはあくまで一時的に利用する融資のこと

 

「つなぎ融資」とは、住宅ローンの融資が始まるまでの期間、一時的に資金を融通するために行われる融資のことです。
住宅ローンはあくまで家の完成・引き渡し後に融資が受けられるのに対し、つなぎ融資は土地の購入から着手金、上棟時の中間金をなど完成前の費用を支払うためのものという違いがあります。

 

なお、つなぎ融資は住宅ローンの融資が決定していないと利用できません。
また別途契約が必要です。
利用にあたっては日割りで金利手数料が発生するため、早すぎず、かつ、必要な支払いに間に合うようにスケジューリングをしましょう。

 

具体的なスケジュールは個々の事例によって異なりますが、初回支払いの2~3ヶ月前には申込しておくのが好ましいです。
実際にはハウスメーカーの担当者からつなぎ融資の利用について話があるはずなので、やり取りを進めれば問題ありません。

 

 

つなぎ融資を利用する具体的な流れ

 

つなぎ融資の利用にあたっての具体的な流れは以下の通りです。ただし、詳細については金融機関によりますので、都度確認するようにしましょう。

 

  1.  土地の購入から引き渡しまでの期間において、資金が必要になる時期や目的、具体的な金額を確認する
  2. つなぎ融資が必要となる場合には、金利・限度額・回数制限などの借り入れ条件を確認する
  3. 条件に合致する土地が見つかったら、ハウスメーカーや工務店と建築計画を決め、請負契約を締結する
  4. 金融機関に住宅ローンおよびつなぎ融資の申し込みを行う
  5. 住宅ローンおよびつなぎ融資の承認が下りたら、土地の売買契約を結ぶ
  6. 土地の売買契約完了後、つなぎ融資について金銭消費貸借契約を締結する
  7. 契約締結後、1回目のつなぎ融資が実行されるため、支払にあてる
  8. その後はハウスメーカーや工務店とかわした請負契約に基づき、着工金・上棟金などをつなぎ融資を利用して支払う
  9. 住宅の完成、引き渡しを持って住宅ローンが実行されるので、つなぎ融資の一括返済に充てる

 

つなぎ融資のメリット・デメリット

 

つなぎ融資の利用を検討にあたっては、メリットとデメリットについてしっかりと理解しておくことが大切です。

 

【つなぎ融資のメリット】

  • 自己資金を用意する必要がない
  •  住み替えの場合でも土地を購入しやすい

 

本来、住宅ローンは住宅が完成していないと契約することはできません。
しかし、家を建てるとなると工事の段階から費用がかかります。自己資金で賄えるのであれば問題ありません。
難しい場合には、つなぎ融資を利用することで、住宅が完成する前にまとまった資金を借りることができ、土地の取得代金、着工金、中間金も確実に払えます。

 

また、住み替えを前提に家を建てる場合、現在の家に住み続けながら進めることもあります。
仮住まい費用がかからず、新しい家への引越し後に現在の家を空き家にすれば良い反面、気に入った土地を見つけても売却による資金が手元にありません。
そこで、つなぎ融資を利用すれば、まとまった資金を確保でき、土地も購入しやすくなります。

 

一方、つなぎ融資のデメリットは以下の通りです。

 

【つなぎ融資のデメリット】

  • 住宅ローンより金利が高め
  • 手数料、保証料がかかる
  • 住宅ローン控除が受けられない
  • 扱っていない金融機関もある

 

まず、つなぎ融資の利用にあたっては、担保は求められません。
そのため、担保を設定する住宅ローンに比べると、金融機関側が負う貸し倒れのリスクが大きいことから金利も高めになっています。

 

また、住宅ローンとは別の契約であるため、金融機関との契約時に手数料・保証料がかかる点にも注意が必要です。
具体的な金額は個々の契約により異なりますが、数十万円に達するケースも珍しくありません。

 

加えて、住宅ローン控除も受けられない点に注意が必要です。
住宅ローン控除を利用するためには「住宅の完成後6カ月以内に居住を開始していること」などさまざまな要件を満たさなくてはいけません。
あくまでもつなぎ融資は住宅の完成前の融資であるため、この条件を満たせないことになります。

 

なお、金融機関によってはつなぎ融資自体を扱っていないこともある点に注意が必要です。

 

まとめ

 

注文住宅を建てたい場合、つなぎ融資を利用することで、自己資金がなくても土地を取得し、家を建てやすくなります。
ただし、金融機関によっては扱いがないうえに、金利が高い、住宅ローン控除が使えないなどの注意点もあります。
どのような費用がいつ、どれだけ必要になるかを見積もったうえで、綿密な情報収集をしてから申し込みをしましょう。
不動産会社の担当者やハウスメーカー・工務店の担当者と話し合いをし、理解してから進めることをおすすめします。