ワクワク家 夫婦の会話
最近、テレビでもインフレインフレって言ってるじゃない?なんとなくわかるけど、よく理解していないのよね。
僕もよく理解していないけど、今は悪いインフレって聞くよね?
インフレにいいインフレと悪インフレがあるの?
よく耳にするけど、どういうことなんだろうね。
今、日本ではモノの値上がりが止まらない状況です。そのため、家計のやりくりに苦労する人も少なくありません。物価が上がる状態のことをインフレといいますが、1つ気になることがあります。それは、最近耳にする言葉「悪いインフレ」です。この悪いインフレとは、どのような状態を指す言葉なのでしょうか?
今回は、悪いインフレについて、その言葉の意味とインフレに強い資産について解説します。
悪いインフレとは
モノやサービスの価格が全体的に上昇する状態が続くことを「インフレーション(インフレ)」といいます。一方で、悪いインフレは「スタグフレーション」とも呼ばれます。これは景気停滞(Stagnation)とインフレーション(Inflation)の造語です。
インフレになっても、良いインフレであれば、モノやサービスの需要が増えると同時に、賃金も上がるので、私たちの生活にはプラスに働きます。しかし、悪いインフレは景気が停滞しているのに物価が上がる状態なので、私たちの生活にはよくない影響が出てきます。
悪いインフレで景気停滞となる大きな原因は、賃金の停滞です。物価は上昇するのに企業の利益が増えないため賃金が上がらない状態のことをいいます。賃金が上がらないのにモノの値上がりが続くため、消費者は買い控えをします。そうなると消費が低迷して、企業の業績も上がらないという悪循環が起きるのです。
悪いインフレのときは給与が増えないのにモノの価格だけが上がっていくため、家計のやりくりが相当厳しくなると考えられます。
今の日本は悪いインフレの真っ只中
現在の日本(2023年3月現在)は、悪いインフレの真っ只中にいます。ロシアのウクライナ侵攻にともない小麦やエネルギー関連などの価格が高騰し、また、アメリカとの金利差による円安で、輸入品の価格が上昇しました。その結果、食品の値上がりが止まらず、光熱費も予想をはるかに超えた値上がりが続いています。
商品やサービスの値上がりが止まらず、家計のやりくりは大変です。それなのに、日本の賃金はなかなか上がらないため、家計へのダメージが止まりません。
そんな中、多くの人が願うのは賃上げです。大企業では賃上げに動いていますが、日本の企業の9割以上を占めているのは中小企業です。中小企業の6割近くは賃上げを予定していますが、賃上げしたくてもできない企業も少なくありません。政府は中小企業向けの賃上げ支援策も実施していますが、その支援が広く行き渡ることを期待したいです。
インフレが影響しにくい資産運用とは?
インフレになると、現金の価値が下がるため、資産は目減りしてしまいます。そこで、インフレ対策として、インフレに強い資産を持っておくとよいかもしれません。
インフレに強い資産といえば、株式や投資信託などの有価証券や不動産や金などの現物資産です。物価上昇により売上金額が増え、企業の業績が上がれば株価も上がります。つまり、物価の動きにあわせて、資産価値も動くのです。また、賃料収入に期待する不動産投資の場合、一般的には、2年契約(更新あり)など長期的視野で収入が見込めることから賃料相場は物価の影響をそれほど受けないと言われています。
ただし、物価が上昇しても悪いインフレで企業業績が上がらなければ、株価も上がりません。また、家計負担が厳しい場合には、住まいにかける予算を削ることもあり得ることから借り手が見つからないことも考えられます。インフレに強い資産とはいえ、現状を見極める必要があるのです。
その点、投資信託は利用しやすいかもしれません。積立投信は少額からでも始められますし、さらに、つみたてNISAであれば、非課税の恩恵を受けることができます。
投資信託でも株式投資でも、いずれにしても、投資にはリスクがともないます。ただし、分散投資や長期投資により、リスクを軽減することは可能です。1つの資産に集中させるのではなく、預貯金も含めてさまざまな資産に分散しておくのです。また、短期間で利益を追い求めるのではなく、長く運用して資産を育てていくことも大事です。
まとめ
悪いインフレとは、賃金が上がらないのに、モノやサービスの価格が上がる状態のことです。今の日本は、賃金が上がらないので消費が低迷し、企業業績も上がらず賃金に反映されない悪循環に陥っている状態です。景気が停滞する中でのインフレなので、私たちもインフレ対策が必要になってくるでしょう。そこでお金の目減りを防ぐため、投資信託やつみたてNISAなどを活用して、できるところから資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。