悲鳴!! 電気代が高すぎる!燃料費調整額ってなんだろう?

家計/ライフスタイル

ワクワク家 夫婦の会話

今月も電気代が高くて。もう少し節電しないといけないかしらね。

使用量が増えているの?

使用量はそれほど増えているわけではないの。

なにが増えているの?

燃料費調整額とか、、、

それはいったいどんな費用なの?

 

物価の高騰が、家計に大きな負担となっています。物価の優等生と言われた「卵」でさえ、スーパーでは昨年から2割程度も高い値段で並んでいます。購入できればラッキーで、鳥インフルエンザの影響も受けて欠品が続いているようです。また、電気代やガス代といった光熱費の増加は、金額が大きいだけにインパクトも大きいのが現状です。今回は、電気代に注目し、値上がりについて検証するとともに、今後の家計対策について考えてみます。

 

原因は、「エネルギー価格の値上がり」と「円安」

 

ニュースなどでも伝えられていますが、そもそもの値上がりの原因は、「世界的な原油価格およびLNG(液化天然ガス)価格の値上がり」と「円安」があげられます。

 

震災以降、国内の原子力発電所の停止や火力発電所の廃止などで海外依存の高い日本では、ウクライナ情勢不安からの原油価格の値上がりや円安が大きく影響しています。

 

実例! 昨年より使用量は減っているのに、電気料金は1.4倍?!

 

以下は、50代夫婦と大学生、高校生の4人家族の2023年1月分電気料金明細です。東京ガスのガス料金と電気をセットにすることで、年間3000円程度の割引が適用される契約です。この1年で契約の変更はなく、生活スタイルに変動もありません。

 

2022年12月10日から2023年1月9日までの1ヵ月間で、使用量655kWh(キロワットアワー)、請求額2万8,020円でした。

 

前年同月使用量をみると、664kWhと表示されています。つまり、昨年の同時期と比較すると使用量は減っています。

 

家計簿を見返すと、電気料金は、1万9,369円だったことがわかりました。使用量はさほど変わらないのに、料金は1.4倍にもなっています。さらに一昨年(2021年)と比較すると、電気料金は約2倍に膨れ上がっています。

 

使用量にほぼ変動がないため、基本料金と電力量料金は相応とすると、変動要因は、その下の「燃料費調整額」と「省エネ促進賦課金」にあると考えられます。

 

「再エネ促進賦課金」「燃料費調整額」とは

 

  • 「再エネ促進賦課金」とは

再エネ促進賦課金は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称です。

日本では太陽光や風力といった温室効果ガスを極力排出しない環境に優しいエネルギー「再生可能エネルギー」の普及を促進していますが、発電コストの高さに課題があります。そこで、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。そして、その費用をすべての電力利用者から毎月の電気料金と一緒に徴収しているというものです。

使用量に対して単価を乗じて算出しますが、単価は毎年決定されます。2012年度は0.22円/kWhであったものの、2022年度は3.45円//kWhと徐々に上昇していることが気になります。

 

  • 「燃料費調整額」とは

燃料価格の変動を月々の電気料金に自動的に反映される仕組みを「燃料費調整制度」といい、調整される金額が「燃料費調整額」です。つまり、エネルギー価格や為替による電力会社の調達コストの変動が、消費者である家計に直接に影響しているのです。

 

東京電力では、国の認可を得て決定される「規制料金」プランと、電力会社が自由に価格を設定することのできる「自由料金」のプラン(スタンダードSなど)があります。規制料金プランは、燃料費調整額の単価に上限が設けられているため、値上がり幅は限定的ですが、自由料金には上限はありません。規制料金プランについても、すでに上限に達しており、電力会社の負担となっているため、2022年末から2023年にかけて電力各社は経済産業省に水準引き上げの申請をしています。今後、各電力会社では、料金プランの改定など値上げラッシュが予定されています。

 

国による負担軽減「電気・ガス価格激変緩和対策事業」

 

前例のないエネルギー価格の高騰を受け、国は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施しています。電力会社に対して補助金を出し、電力会社はこの補助金の分を契約者の電気料金から値引きする、というものです。国の見積もりでは、標準世帯で年間4万5000円(月あたり3750円)ほどの光熱費の削減になるとのことです。

*適用は、2023年2月請求分から確認できるようです(検針日等により前後する可能性あります)。

 

なお、値引きを受けるための手続きは不要です。電力会社や都市ガス会社の担当者を装った不信な電話や問い合わせには、ご注意ください。

 

長期的視野での家計管理をめざしましょう

 

食品やサービスの値上げのニュースが相次いで発表されるなか、電気代1万円アップは悲鳴でしかありません。厚生労働省が発表した2023年1月の毎月勤労統計調査(速報)によれば、物価変動を考慮した実質賃金は前年同月比4.1%減少しています。物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が続いています。

 

エネルギー価格の高騰をふまえると、しばらくは物価上昇が継続すると考えられます。家計管理の厳しい局面ですが、光熱費の予算を上げたうえで、通信費や保険料、レジャー費の見直しを検討してみてはいかがでしょう。無理をしても教育費は削らないという方も多いのですが、子どもの適性や気持ちとじっくり向き合ってみることもおすすめです。

請求金額に目が行きがちですが、「何が」「なぜ」を知ることも大切です。そして、1年後、5年後、10年後を見据えた家計管理をめざしたいものです。