ワクワク家 夫婦の会話
住宅ローン控除が2024年から変わるって聞いたの。うちも家を買うの急いだ方がいいのかな?
どんな風に変わるのかな?住宅ローンの控除が無くなるの?
よくわからないけど、条件が変わるみたい。しらべておかないとね。
2022年度税制改正で、2024年からの住宅ローン控除が見直されることになりました。2023年までと比べ、どのような点が見直されたのでしょうか?これから住宅を購入しようと考えている人は気になりますよね。そこで今回は、2024年に改正される住宅ローン控除の内容を、2023年とは異なる点を中心にわかりやすく解説します。
2022年度税制改正での改正点
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住宅を新築・購入すると、年末のローン残高の0.7%が所得税から最大13年間控除される制度です。所得税から控除しきれないときは、翌年の住民税から9.75万円を上限に控除されます。
この住宅ローン控除について、2022年度税制改正では大きく見直しが行われました。注目すべき改正点は、以下の2点です。
- 入居の適用期限が2022年から2025年まで4年間延長
住宅ローンを組み要件に合う住宅を新築、購入し、2025年12月31日までに入居すれば、住宅ローン控除を受けられます。
- 物件の環境性能による適用の可否
2024年以降に住宅ローン控除を受けたい場合は、省エネ住宅の新築・購入でなければ対象外となる点です。この詳細については、次の章で解説します。
2024年からは省エネ住宅でないと住宅ローン控除が受けられなくなる!?
2024年1月以降に建築確認を受ける住宅は、省エネ基準を満たした住宅でないと住宅ローン控除を受けられなくなります。下記の表は、2022年入居から2025年入居までの住宅ローン控除の借入限度額です。
(※)2023年末までに建築確認を受ければ、借入限度額2,000万円、控除期間10年間になります。
出典:国土交通省「住宅ローン減税制度について 制度の概要」
(※)建築確認とは?
住宅を建てる前に、建築基準法などの法令を守っているか事前にチェックすること。建築主が管轄の自治体、もしくは自治体から指定を受けた民間検査機関に依頼します。
2024年からは、省エネ性能ごとの借入限度額が2023年より減額になります。つまり、2023年までよりも減税になる額が少なくなるのです。さらに「その他の住宅」は、2024年からは住宅ローン控除が利用できなくなる場合があります。
「その他の住宅」とは、省エネ基準を満たしていない住宅のことです。その他の住宅でも、2023年12月31日までに入居すれば、住宅ローン控除を最大13年間受けられます。しかし、建築確認が2024年になってしまうと控除を受けられなくなるのです。
ただし、その他の住宅でも建築確認を2023年中に済ませておけば、入居が2024年や2025年になっても、借入限度額2,000万円・最大10年間の控除を受けられます。省エネ住宅でなくても確実に住宅ローン控除を受けたいのであれば、2023年までに建築確認を受けておくことをおすすめします。
2024年からの住宅ローン控除の申請に必要となる書類
住宅ローン控除をはじめて受けるときは、入居した年の翌年に行う確定申告で手続きをします。その際、省エネ基準に適合していることを証明する証明書が必要になります。
証明書として、以下の2つのうちのどちらかを準備します。
・建設住宅性能証明書
・住宅省エネルギー性能証明書
また、省エネ基準を満たす住宅でないが、2023年末までに建築確認をしている場合は、下記の書類を提出します。
・2023年12月31日以前に建築確認を受けた「確認済証」または「検査済証」の写し
・登記事項証明書(2024年6月30日以前に建築されたことを証明するものに限る)
さらに、省エネ性能に関係なく下記の書類も準備します。
確定申告書、源泉徴収票、住宅ローンの年末残高等証明書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、本人確認書類の写し、建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
必要書類の中には発行されるまでに時間がかかるものもあるので、できるものから早めに手配をしておきましょう。
まとめ
新築住宅を建築・購入する際、2024年1月以降に建築確認を受けると、住宅ローン控除が利用できなくなるので注意が必要です。住宅ローン控除を受けたい時は、省エネ性能に適合した住宅を選ぶか、2023年の年末までに建築確認を受けておきましょう。また、住宅ローン控除を受けるときは確定申告が必要です(会社員は初年度のみ。2年目以降は年末調整が可能)。国税庁や国土交通省のサイトなどで必要書類を確認しておきましょう。