ペアローンや収入合算などにより夫婦共同で住宅ローン返済をしている場合、一方の退職などで収入が減少すると返済が難しくなることがあります。今回は、妻が退職して返済が苦しくなってしまった場合の注意点や対処法を解説します。

 

夫婦で住宅ローンを返済する方法は主に3つ

 

共働き世帯の増加とともに、夫婦で住宅ローンを組むケースも増えています。「夫婦で借りる」と言っても、契約形態は「ペアローン」や「収入合算」などいくつかのパターンがあり、そもそもの契約の数や返済不能となった場合の責任の範囲に相違点があります。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

 

 

それぞれの詳しい特徴や違いに関しては、「」の記事を参考にしてください。

 

住宅購入にあたっては、多くの場合、ローンを組むことになりますが、収入金額はもちろん、家族構成や今後の働き方について十分検討する必要があります。また、余裕のある返済計画を考えたいものです。しかしながら、夫婦ふたりで働き続ける想定であったとしても、人生には、想定外の事態が起こるものです。場合によっては、家計収入が減少し、住宅ローン返済が負担となることも考えられます。

 

ペアローンや収入合算の返済が難しくなってしまったら

 

妻の退職により世帯収入が減少した場合、いずれの契約パターンでも、完済しない限り返済は継続します。、そのため、家計に占めるローン負担は厳しくなる可能性があります。

 

ここでは、ペアローンや収入合算により夫婦共同で住宅ローンを借り入れている場合に、妻の退職で返済が難しくなった場合の付帯的な対処法を解説します。

 

「次の就職先が見つかるまで」「資格が取得できるまで」など再び返済ができる状態になれればよいのですが、予測することは難しいため、できることから始めましょう。

 

①まずは、家計の見直し

まずは支出項目を洗い出し、家計の見直しを行います。無駄な出費がないか確認しましょう。以下のように、毎月継続的に出費している固定費や比較的金額の大きな出費を見直すと効果を実感することができます。

 

• 生命保険：保障内容を確認のうえ、契約の減額や解約を検討する
• スマホ：格安スマホへの乗り換えを検討する
• マイカー：利用状況や契約形態の確認や自家用車を2台から1台へ減らすなど検討する

 

スマホや保険の見直しは比較的手軽にできますので、契約状況を確認してみてください。

 

②金融機関へ相談し、返済の猶予や減額措置があるか確認する

家計の見直しだけでは難しい場合は、金融機関へ相談することをおすすめします。金融機関ごとに減額や返済猶予の措置を用意している場合があります。金融機関にとっても、回収できなくなるよりも、少し待った方が有利と考えるためです。支払期限をすぎると遅延金の請求のほか、できるはずの対策ができなくなることに注意が必要です。

 

③住宅ローンの契約変更や借り換え

住宅物件の評価額や年齢、また、収入のある配偶者の年収にもよりますが、返済額減額による返済期間延長など契約変更や借り換えができる場合もあります。同様に、遅延の有無などこれまでの支払実績が金融機関との信頼関係に影響します。選択肢が広がる可能性もありますので、あきらめずに相談することがポイントです。

 

なお、ペアローンのように夫婦それぞれがローンを組んでいる場合、妻名義のローンを夫が肩代わりするケースでは、金額によっては贈与と見なされ、「贈与税」が発生する可能性もあります。

 

住宅ローンの滞納が続くと自宅を手放さなければならない可能性も

 

住宅ローンの滞納が続くと、金融機関から督促状が届きます。くれぐれも放置することは避けるべきです。金融機関と連絡をとり合いつつ、最大限の努力をしましょう。

 

返済の目処がたたないと判断されると、競売や任意売却によって自宅を手放さなければなりません。そのため、収入が減少して返済が難しくなる可能性が出てきたら早めに対策を打つ必要があります。

 

まとめ

 

今回は妻が退職した際の住宅ローン返済について解説しました。出産や育児など、ライフプランによってはパートナーが一時的に退職や休職することもあります。そのため、返済が一時的に苦しくなってしまうこともあるでしょう。

 

一概には言えませんが、住宅ローンは手取り収入の25％程度を目安にすると無理なく返済できます。収入が減少する場合はこのまま無理なく返済し続けられるか一度点検してみてください。返済が難しい場合にはご紹介した方法を参考に、早めに対処しましょう。