物件価格だけじゃない! 住宅購入にかかるお金

住宅

ワクワク家 夫婦の会話

家を買うときっ物件以外にどのくらいのお金がかかるのかな?

頭金以外にも費用がかかるってきいたよ。

その費用しだいでは、買える物件の金額も違ってくるね。

そうだね、きちんと考えないとお金が足りないなんてことになると大変だからね。

 

住宅購入を考える際には物件価格に注目しがちですが、実際には、頭金や登記費用、手数料など「諸費用」と呼ばれる初期費用がかかります。また購入後も継続して費用が発生します。

住宅は多くの場合、長期の住宅ローンを利用して購入するため、教育費や老後の資産形成などもふまえた資金計画が必要です。

 

住宅購入にかかるお金

 

「わが家にとっての物件価格の目安を知りたい。」

「気に入った物件があるのですが、自分たちにあった価格かどうか知りたい。」

住宅購入にかかわるFP相談でお受けすることの多い質問です。

 

余裕のある日々の暮らしをめざすのか、気に入った物件を購入するために今後の生活をどう送るのかなど、それぞれの思いや背景により適正物件価格は異なります。

しかし、共通するポイントは「長期で考える」ことです。

 

無理な返済計画のために、せっかく手に入れた「わが家」を手放すことのないよう住宅購入を検討する段階で、必要な費用を見積り、資金計画を立てたいものです。

 

一般的には、住宅購入にかかるお金として、

①物件価格(住宅ローン借入額)②物件価格のうち頭金 ③諸費用を考えます。

また、購入後には、住宅ローンの返済のほかに、固定資産税などの税負担、火災保険、管理費、積み立て修繕費といった費用が月単位、年単位でかかります。

諸費用は何にいくらくらいかかるの?

 

住宅購入時にかかるお金の例として、以下の費用があげられます。

 

物件価格や借入れの金融機関、条件にもよりますが、

一般的に、新築物件で物件価格の3%~7%、中古物件で5%~10%程度を目安に見積もっておきましょう。

 

また、購入した後も、税金や諸費用が継続的にかかります。

借地権付き物件を検討する場合は、初期費用が抑えられるものの、毎月の地代や更新料を考慮のうえ検討しましょう。

頭金は、最も効率的な繰り上げ返済

 

最近では、物件価格100%ローンや諸費用ローンまで取り扱う金融機関が増えています。

住宅購入のハードルが下がった一方で、破たんするケースも増えています。

 

ローンには借入額(元本)の返済と同時に利息を支払う必要があります。長期間になるほど、借入額が大きくなるほど、総支払額が増えます。

 

頭金の金額がその後の住宅ローン返済金額に大きな影響を与えます。

 

例えば、物件価格4000万円の物件価格で考えてみましょう。

★物件価格のうち10%にあたる400万円を頭金、3600万円を借り入れた場合

月返済額10万2000円 総返済額4270万円(うち利息668万円)

 

★4000万円のローンを金利1.0%、35年で借り入れた場合

月返済額11万3000円 総返済額4740万円(うち利息740万円)

 

頭金により借入金額を減らすことで、月負担額が抑えられ、総支払額を72万円減らすことができます。

 

余裕ができた時に、期間の短縮を目的として繰り上げ返済を考える場合が多いですが、返済額のうち利息支払い割合の多いできるだけ早い時期が効率的と言われています。「頭金をいれること」は、その最も有効な手段です。

 

参考までに、

★4000万円の住宅ローン(100%ローン)に諸費用280万円(物件価格の7%)を上乗せして、4280万円を金利1.0%、35年で借り入れた場合

月返済額12万1000円 総返済額5074万円(うち利息794万円)

 

ローンを検討する場合には、借りられる額ではなく、無理なく返せる額を考えましょう。

 

無理なく返せる額は、家計に占める「住宅にかかるお金」の割合や、今後に必要となる教育費やリスク対策、将来の老後資金などトータルで検討する必要があります。

家計改善や希望地域や物件価格、時期など優先順位をつけながら話し合いたいですね。

まとめ

 

当初は「なんとかなる」「がんばる」と思っていても、働き方や予測できない事態が起こりうる可能性はあります。そのときに対応できるよう余裕のある資金計画を目指しておきたいものです。

また、予測できない事態のために、緊急予備資金は手元に残しておきましょう。

 

住宅購入は、生活スタイルや今後の方向性を家族で考えるよい機会です。「家」を買うことではなく、「家族が笑顔でいられる場所」を手に入れることを考えてみてください。